西部謙司 フットボール・ラボ

来季からJ1でも導入されるVARはパンドラの箱!? やがて向き合わなければいけない根本的な問題とは?

来季からJ1リーグでも導入されるVAR。判定精度の向上は期待できるが、はたして拙速に実利を求めるだけで良いのだろうか? 長い目で見た場合には無視できないであろう疑問点も浮上してくる。

VARでJ1で起きる変化とは何か?

VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー制度)が来季からJ1で導入されます。すでにルヴァンカップ決勝で使われているので、だいたいの雰囲気はわかったと思いますが、VARでJ1は何か変化が起きるのでしょうか。

VARは機械を利用して判定精度を上げることが目的ですが、機械判定ではありません。ここは誤解しやすいところですね。判定自体は審判が行います。VARはその判定に「介入」する形で使われるということです。VARの介入が行われるのは、①得点か否か②PKか否か③レッドカードか否か④人間違い。以上の4つについて「確実かつ明白な誤審」または「重大な見逃し」があるときに限定されています。

平たくいうと、「あ、主審の判定は間違っているな」というときにVARが介入してくる。で、主審が「じゃあ映像で確認します」というのがオン・フィールド・レビューというやつで、主審が画面を見に行くアレです。これ、主審の一存で却下してもOKです。「絶対間違ってないもんね、VARが間違ってるもんね」と思ったら、介入を拒否できるみたいですが、実際そうする人っているんでしょうかね。

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