西部謙司 フットボール・ラボ

今季J1の鍵を握るビルドアップvsハイプレスの攻防。バルサ+リバプールの「マリノスモデル」は他クラブのモデルケースになりうるか?【Jラボ】

J中断期間に読んでおきたいテーマをピックアップするJラボ。今回はマリノスの影響か、ビルドアップ型のハイブリッドとも言うべきスタイルへの変化がいくつか見られたJ1の戦術的傾向を分析します。

欧州から4年遅れで流行したJのビルドアップvsハイプレス

私事でナニですが、2017年に「プレスvsビルドアップ」(Gakken)を刊行しております。ヨーロッパでGKからビルドアップするチームが増え、それに伴ってハイプレスを行うチームも増えた。キックオフから1020分間にハイプレスとビルドアップの攻防があり、それが試合を左右する傾向が見られた。そこで、CLベスト8チームを中心に実際にどのような攻防が行われていたのかを抽出してみたわけです。

2020年のJ1開幕戦は、ヨーロッパのトップレベルで2016年ごろに起こっていたことが、ほぼそのまま再現されていたと思います。

本来なら、今季のJ1で何が起こっているのか、どう推移していくかを見たいところなのですが、あいにく試合は中断しています。それは再開後のお楽しみということになりますけれども、今回はビルドアップvsハイプレスについて考えていきたいと思います。

ポゼッション志向のチームが陥りがちな「落とし穴」

今季、プレースタイルを変化させたチームがいくつかあります。ちょっと驚いたのは、すべてが攻撃型への変化だったことです。同時に、攻撃型へ変化したチームは開幕戦でほとんど勝っていません。

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