久保建英で打ち止めなら日本サッカーの未来は厳しい。CLとJリーグが違うスポーツに見える理由【特別コラム】
着実にレベルを上げているJリーグだが、欧州のトップシーンも凄まじい進歩と変化を見せている。奇しくも内田篤人が引退会見でCL決勝とJリーグは違うスポーツに見えると語っていたが、ではその差とは何なのか? いまそこにある「差」と「違い」を直視することがJのさらなるステップアップへとつながる。
CLとJに横たわる歴然とした「差」と「違い」
先週はヨーロッパでEL、CLのファイナルがありまして、ELはセビージャ、CLはバイエルン・ミュンヘンが優勝しております。
近年はJリーグのレベルも上がってきて、レベル的にも面白さでもヨーロッパ各国リーグにひけをとらなくなったと思っています。ベルギー、オランダ、フランス、ポルトガルあたりのリーグ戦の試合がJより確実に上だった時期とは違います。
しかし、CLとACLを比べてしまうと、その差は歴然です。地域差はむしろ広がっているでしょうね。CL決勝のバイエルン対パリ・サンジェルマンなどは、ACLやJリーグと比べると、もう違うスポーツに見えました。
何といってもフィジカルに物凄い差を感じましたね。単純に速い、強いだけでなく、あのテンポで70分間持続できるのは驚異です。長丁場のリーグと一発勝負のファイナルを比較することはできませんが、条件以前のベースが違いますね。
戦術的にもかなり違いがありました。こちらは「差」というより「違い」なのですが、これも同じ競技に見えなかった理由の1つでしょう。
CLの優勝争いは特別なレベルです。プレミアリーグもリーガ・エスパニョーラも、このレベルには及ばない、いわば世界でも特殊な高みですので、Jリーグと比較するのはナンセンスではありますが、そこがどうなっていたのかを知るのは、今後のJの変化を予測するうえでも無駄ではないでしょう。
体力>技術の時代に。CL覇者バイエルン、EL覇者セビージャが中央エリアを使わなかったのはなぜか?
バイエルンのフィジカル能力が物凄い感じになっているわけですが、それはそれを強調するようなプレーをしているからでもあります。
ちょっと図を見てほしいのですが、バイエルンは攻撃で中央エリアをほとんど使わないんですね。これ、ELで優勝したセビージャも同じです。とにかくサイド。
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