【レビュー】執念でもぎ取った完封勝利/明治安田生命J1リーグ1stステージ第11節 FC東京戦(2015.05.12)
決して完璧な試合ではなかったが勝利に対する執念を感じる試合だった。後半45分はほとんど守備にまわる時間となったが、それでも虎の子の1点を守り切り、FC東京から勝利をもぎ取った。
前半はすばらしい内容だった。
「前半は非常に良いサッカーをやりましたし、逆にハーフタイムは何を言えばいいのかともうくらい良いサッカーをしました」
トニーニョ・セレーゾ監督がそう述懐するほど、相手の弱点を突く攻撃ができたと言えるだろう。予想通りFC東京は中盤を3枚で構成してきた。梶山陽平を中央に、右に米本拓司、左に羽生直剛を置くが、その連携は不十分。中央の梶山が安易にボールに食いつくため、その背後に大きなスペースが広がっていた。そこを赤﨑秀平や土居聖真、遠藤康がスペースを広げる動きとスペースに入る動きを連動させて入っていく。27分には、そのスペースめがけて柴崎岳がワンツーパスで侵入を試みる。守備に戻ってきた河野広貴に潰されてしまったが、そこが明らかに狙い目となっていた。そして34分、スペースを消すために全体がゴール前に貼りつく形になった相手に対し、赤﨑秀平がダイアゴナルの動きを見せて山本脩斗からパスを引き出す。それは森重真人に防がれたものの、こぼれ球を土居聖真が思い切って右足を振り抜くと、シュートはボテボテながらもフォアのポストギリギリに転がりサイドネットを揺らした。
守備についても安定していた。ファン・ソッコが振り返る。
「この試合に向けての対策はしていましたし、武藤選手と東選手の特長は掴んでいたので、ある程度、ディフェンスラインが裏をケアするという仕事はしっかりできたと思います」
鹿島の2人のCBは武藤嘉紀を徹底的にケア。チーム14得点中8得点をあげているエースストライカーに仕事をさせない。執拗にボールを蹴り込んでくるため、アクシデント的にチャンスをつくられることもあったが曽ヶ端準と共にゴールを守り、前半は米本拓司のミドルシュート1本に抑えた。
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