「GELマガ」鹿島アントラーズ番記者・田中滋WEBマガジン

弱みを認めた男の余裕。植田直通が踏み出す第一歩/【家族の風景】

「最後、削ってやろうと思ったんですけどね。できませんでした」

2歳年下の久保田和音は、植田直通との最後の紅白戦でタックルを見舞えなかったことを笑いながら惜しんだ。

「でも、ご飯も一緒にいけたんでよかったです。『これで最後だぞ!』って奢ってくれました」

寡黙で、男気があって、義理堅い。シャイで、義侠心に富んだ力持ち。植田直通は後輩からも慕われる存在だった。

 

離日するときの空港には、テレビクルーが待ち構え、多くのファン・サポーターが駆けつけた。

側頭部には短く刈り込んだ髪の毛に一本のラインが入り、凜とした雰囲気を際立たせる。こうした風貌の人物にはあまり近寄りたくない。しかし、植田直通は不思議と柔らかな雰囲気を身にまとっていた。

 

あるのは余裕と覚悟。

自分の弱点から目を背けるのではなく、それを認めつつ克服することに意識をむける。理想と違うことに悩むのではなく、ありのままの自分を受け入れる。それだけで、自然と人間としての器はぐんっと大きくなっていた。

 

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