ボランチを変えるか、戦い方を変えるか/【レビュー】明治安田J1第5節 アビスパ福岡対鹿島アントラーズ
これでもか、というくらい悪い出来事が重なった。
試合2時間前になると発表されるメンバー表がなかなか発表されなかった。蓋を開けてみるとメンバー表に1人足りない。試合後のクラブ発表によると、帯同メンバーの一人が家族の事情で出場を回避するアクシデントが発生し、代わりの選手も間に合わず1人足りない状況で試合をスタートさせたということだった。
試合の中でも和泉竜司を怪我で失うと、関川郁万が一発退場。後半になってさらに土居聖真が負傷交代。終盤、犬飼智也の見頃なボレーシュートはVAR介入にてノーゴールに。福岡に15年ぶりとなる対鹿島戦勝利を与えてしまった。
様々なアクシデントが重なったとはいえ、苦しいメンバー構成だった福岡に試合開始から圧力を加えられなかった事実に変わりはない。相手も本来はDF登録の三國ケネディエブスをFWで起用しなければならない苦しいチーム事情があった。そのチームに15年ぶりに勝利を渡してしまっては優勝の二文字を口にする資格はない。かなり厳しい現状を突きつける敗戦だ。
起きている現象は昨季序盤と同じように見える。パスをつなぎたいサッカーを理想とするが、現状ではその能力を持つ選手がいない。トレーニングの中で準備してきたものを試合の中で表現することができない。相手がいる状況だと慌てる、隠れる、自信をなくす。いくら戦い方を準備したところで、それを実行するだけの“止める・蹴る”の技術がなければ難しい。特に、ボランチのところはどうにかしないといけない。
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