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ジェンダー平等と言葉尻【石井和裕の #女子サカマガ PKど真ん中】

もう、ヶ月くらい前の話で昔のような気分さえしますが、今回の『石井和裕の #女子サカマガ PKど真ん中』では、ジェンダー平等について蹴り込んでみようと思いますので、もう一度、この問題を蒸し返してみます。

ジェンダー平等から目を背ける報道番組など存在価値がない

「どっかの政治家が『ジェンダー平等』とかって今、スローガン的にかかげている時点で、何それ、時代遅れって感じ」といったセリフなどに批判が相次ぎました。テレビ朝日は「不快な思いをされた方がいらしたことを重く受け止め、お詫びする」と謝罪。報道ステーションのCMを取り下げたのは2021年3月24日でした。

能町みね子さんが週刊文春のコラム『言葉尻とらえ隊』で「そもそもテレビ朝日はジェンダー問題に対して腰が引けている」と書いています。調べてみると、テレビ朝日の早河洋会長は記者会見で「(CMという)短い時間の中で、ああいう(ジェンダー平等という)テーマをメッセージにするのは難しい。僕が厳重注意したのは、もうそういうことはやるなと、PRの方法論として」と言っていました。ちょっと待ってください!難しいことですか?それはCMクリエーターの力を軽く扱っているし、まさに腰が引けた発言だと思います。きちんとしたクライアント(この場合はテレビ朝日)の意思があれば、CMクリエーターは必ず伝わるメッセージを開発できるし、今どき、ジェンダー平等から目を背ける報道番組など存在価値がないに等しいと思います。改めてガッカリしました。結局は、誰が、何に主体性を発揮するかでメッセージは決まると思います。ちなみに、筆者は能町みね子さんのようなユーモアを交えた表現技術を身に付けていないので『言葉尻とらえ隊』の真似はできません。

ところで #女子サカマガ では、月に一度の #女子サカマガ 編集会議を行っています。clubhouseを活用したオープンな会議というか意見交換会です……いや、雑談かな。 #女子サカマガ の制作に関わる人だけでなく、選手、指導者、ファン、メディアの人等、様々な人からご意見をいただき、それを次月以降に #女子サカマガ で実現していきます。

 報道ステーションのジェンダーCMを #女子サカマガ が創ったら

月末の編集会議で宇都宮徹壱さんから、一つの無茶振りがありました。

「報道ステーションのジェンダーCMをWEリーグが創ったらどのようになるか示してください。」

笑いながら振る割には重たい課題です。実際のCMを創るには、時間とコストが必要になるため絵コンテまでを制作してみました。ただ、テーマを「報道ステーションのジェンダーCMを #女子サカマガ が創ったら」に変更しました。WEリーグを代弁するのは、正直、荷が重すぎる。絵コンテの表現は、Twitterにイラストを発表しているたけこさんに手伝っていただきました。

 

 報道ステーションのジェンダーCMと同じく、女性がカメラを覗き込むアングルのカットを入れています。同じアングルのカットがあっても、どれだけ表現に開きがあるかを感じていただきたいです。ちなみに、私は、以前に報道ステーションの前身であるニュースステーションの取材、編集をする会社に勤めていたことがあり、テレビ朝日にはよく出入りしていました(別の部署ですが)。それだけに、ちょっと胸の痛む表現作業でした。

こんなCMあったらどうですか?スカッと爽やかな気持ちになりませんか?

#女子サカマガ はサッカー界のサロン『ブルー・ストッキング』になれば良いのだろうか?

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