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FIFA女子ワールドカップ予選に臨む日本の宝だ なでしこジャパン宝田沙織選手

なでしこジャパン(日本女子代表)は、1月20日に開幕するAFC女子アジアカップの開催国・インドに入りました。FIFA女子ワールドカップオーストラリア&ニュージーランド2023のアジア地区予選を兼ねた大切な大会です。

なでしこジャパン(日本女子代表)は2011年にドイツで世界一に輝き、2015年にカナダで準優勝。2019年のフランス大会はラウンド16で敗退。次の2023年で世界一から12年・3大会。多くの世界一メンバーが、なでしこジャパン(日本女子代表)を去りました。今回の招集メンバーに名を連ねるのは2名だけです。

池田太監督の下で世界一に輝いた宝田選手

これからは、なでしこジャパン(日本女子代表)の池田太監督が監督を務めたFIFA U-20女子ワールドカップフランス2018、前なでしこジャパン(日本女子代表)監督の高倉麻子さんが監督を務めたFIFA U-17女子ワールドカップコスタリカ2017、2つの大会で優勝した世界一メンバーが、主力となっていく時代に入りました。

宝田沙織選手は、そんな過渡期の新生なでしこジャパンの主軸となることが期待されます。今回は、FIFA U-20女子ワールドカップフランス2018ではシルバーボールとブロンズブーツを受賞した日本の宝の、これまでを振り返ります。そして、事前キャンプでの囲み取材より、宝田選手の最終ラインからの視点を探ります。

日本を代表するディフェンダーの一人

宝田選手は「ポリバレント」「マルチローラー」と表現されることが多い選手です。果たしてそうでしょうか。確かにフォワードとして素晴らしいプレーを披露し、FIFA女子ワールドカップフランス2019のメンバーにも選ばれました。しかし、その表現に違和感を覚えています。今、日本では、最終ラインのポジション以外でプレーすることは、ほとんどありません。そして、ディフェンダーに急造コンバートされた選手ではないのです。日本を代表するディフェンダーの一人として、宝田選手を後押しする必要性を感じます。

実はディフェンダーとしてのプレーが長い

宝田選手は2012年にセレッソ大阪堺レディースに加入しました。当初はゴールキーパーでもプレー。日本サッカー協会が、中学生年代の有望なゴールキーパーを育成する「スーパー少女プロジェクト」のトレーニングキャンプにも参加しています。

セレッソ大阪堺レディースではフォワードとしてプレーする姿が強く印象に残っている宝田選手ですが、意外なことに、主にフォワードとしてプレーしたのは2017年から2020年までの4年間だけ。その4年間を除くとディフェンダー登録でプレーする期間が長い選手です。U-16日本女子代表に選出された際も、ディフェンダー登録でした。

アメリカでの挑戦、NWSL優勝

セレッソ大阪堺レディースで主力選手としてプレーしてきた宝田選手ですが、2020年12月にNWSLNational Women’s Soccer League)のワシントン・スピリットへ移籍することが発表されました。WEリーグ参入を発表しなかったセレッソ大阪堺レディースから、最初の主力選手流出でした。セレッソ大阪堺レディースは、中学生年代から選手をじっくりと育てていくチームです。宝田選手は、2012年以来、長く育ててもらったチームとの別れに、大きな決断が必要だったに違いありません。

セレッソ大阪堺レディースでの、なでしこリーグの出場記録は、143試合出場56得点でした。

ワシントン・スピリットでは空中戦の強さが評価されました。しかし、アメリカ女子代表のサイドバックを務めるケリー・オハラ選手をはじめアメリカ女子代表選手が多数所属するチームは好調でメンバーを固定。出場機会に恵まれませんでした。宝田選手はNWSLNational Women’s Soccer League)で2試合に先発出場。ポジションは右サイドバックで1試合、右のミッドフィルダーで1試合でした。

2021年11月20日に行われたプレーオフ・ファイナルもベンチスタート。しかし、延長戦の116分から出場し、ピッチ上で優勝の歓喜を味わうことができました。世界最高峰のNWSLNational Women’s Soccer League)で優勝メンバーの一人となったのです。

次の挑戦はスウェーデンで

年が明けて2022年1月6日、ワシントン・スピリットは宝田選手がスウェーデン部リーグのリンシェピングに移籍すると発表しました。これからは、籾木結花選手とチームメイトです。この移籍について、宝田選手は、このように話しています。

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