「川崎フットボールアディクト」

【J1 2nd. 第13節 川崎vsG大阪 レポート】持ち前のパスワークを背景に大量5得点。課題はあるが、貴重な勝ち点3を積み重ねた

■パスワークで試合を支配
24000人を超す観客の前で、いきなり見せたのが中野嘉大だった。前半開始早々の2分。小宮山尊信からのタテパスを引き受けた中野が左サイドで仕掛ける。ファーストタッチで一人かわすと、寄せてくるDFに得意のドリブルで仕掛けて入れ替わる。

「無名だったので、ぼくは」と苦笑いしながらそのプレーを振り返る中野から、ゴール中央にポジションを取っていた大久保嘉人に、ここしかないという狭いコースを通すマイナスのクロスが入る。

大久保はこの中野からのクロスについて「まさか中野があそこまで行くとは思ってなくて、あそこに出せるとも思ってなくて、ナイスと思いました」と述べている。日頃練習している大久保が想像していなかったのだから、G大阪の選手たちが中野のドリブルを想像するのは困難。その中野からのクロスを大久保が蹴り込んでフロンターレが先制点を手にした。

敵ながら、その意気込みは素晴らしいものだった。G大阪の選手たちは前から守備をしようと試みていた。広州恒大とのアウェイマッチから中3日。長距離の移動を終えた選手たちは疲労とも戦っていたはず。そうした苦しい状況にも関わらず、前からボールを奪おうとしていた。

そんなG大阪の積極的な守備に対し、フロンターレの選手たちは全く動じることが無かった。無理ならば下げればいい、という消極的なサッカーではなく、パスを引き出す選手との関係の中で、パスコースを作ろうと前方の選手たちがポジションを変え、それに合わせて前にボールを運んだ。G大阪のプレスについて谷口彰悟は「ちょっと前から来てても2〜3人外せば比較的簡単に前の方にボールを運べたので、そこら辺だけかいくぐればということは感じてました」と振り返っている。複数の選手の口から出ていたG大阪の選手たちの「体の重たさ」があったにせよ、フロンターレがパスワークをベースに試合を支配した。

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