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「川崎フットボールアディクト」

下田恒幸さんと振り返る、2019年前半戦のフロンターレ1/3【対談】

実況アナウンサーとして国内随一の実力を持つ下田恒幸さんと今季のフロンターレについて対談しました。
取材日は15節の札幌戦終了後だったため、19節終了時点の今現在とは若干状況が違っていますがご容赦いただければと思います。
少々長いです。

まずは、前半戦を振り返ります。

江藤高志
今季のフロンターレをどう見てますか?

下田恒幸
中村さんが居ない試合が多いですね。

江藤高志
15節終了時点で8試合欠場です。

下田恒幸
フロンターレの崩しの質はがちょっと下がっていると感じてたんですが、中村憲剛が半分出ていないのであれば一概に全体の質が下がっていると言い切れない気もします。

江藤高志
そこの評価が難しいのはおっしゃる通り。序盤戦はトップをいろいろ試した弊害はあるかもしれません。レアンドロ・ダミアン、知念慶、小林悠。

下田恒幸
全部キャラが違いますね。

江藤高志
ここ2年のチームにダミアンのようにゴールをごり押せる選手が入ってきた。この個性をうまく消化しきれてない感はあります。ダミアンもフロンターレのサッカーを未消化ですし。

下田恒幸
家長も要所で居なかったり、小林が出たり出なかったりしてた。そういう意味で言うと前半戦は川崎が積んできたサッカーが3年前とは違ってみえるのは仕方ないか。

江藤高志
そう思います。

下田恒幸
ただ、ベースとしては「見えてるもの」が基本的に同じで、ここ、というところにボールが来ないと成立しない質の上に成り立っている。

江藤高志
目が揃っている必要があります。

下田恒幸
敵が居て、50cm横に家長が立っていますと。Jリーグの他の大半のチームだと、マークに付かれてるから出せない。でも川崎の場合は50cm離れてばフリーですねと。遠い方の足に出せば余裕ですね、となる。

江藤高志
フリーの定義というやつですね。

下田恒幸
そういうサッカーでいうと、それが出来るのが小林、阿部、憲剛、家長、大島、守田、谷口といった選手たち。そこから3人4人と欠けてしまうと、いろいろなものが変わってくるのかな。

江藤高志
変わらざるを得ませんが、全体をその質に合わせるための練習は続いています。

下田恒幸
つまりこの3年間で共有してきた「目」があって、その「目を揃える作業」が今も続いているのであれば他の選手の目をもう少し高いレベルで揃えながらチームが進んでいった気がするんだけど。

江藤高志
前半戦は主軸選手が抜けた弊害か、ピリッとしない試合も多かったです。

下田恒幸
これを言うと選手も監督も嫌がるかもしれませんが、風間前監督と鬼木監督の違いはあると思っていて。普段の練習で指摘するポイントはミクロの部分で恐らく凄く違うはずなんですよね、鬼木監督と風間さんで。

江藤高志
練習はオニさんコーディネイトのものになってきますし、止める蹴るの教え方はまた違ってきてますね。

下田恒幸
あまり知ったかぶりすると風間さんに怒られそうですが(笑)、受ける質のどこを見ているかとか、それをどう選手に指摘して改善させるかは、2人の間に大きな差があるはずなの。恐らく風間さんにしか見えないものがあって、でもその風間さんにしか見えないミクロの部分こそが質を上げるためのキモだったりするのかなと。

江藤高志
確かに外す、付ける、の細かい指摘は風間さんの特別な感覚かもしれません。

下田恒幸
練習を見てないからわからないけど違うんだろうね。
風間さんの目は特殊。フジテレビの仕事で頻繁に実況解説で組ませてもらっていた頃は、普段の会話も含めて色々学ばせてもらって、自分の「目」も進化させてもらったけど、しばらく一緒に実況解説で組んでないと、やっぱり見え方は落ちるなと。たまに試合会場で風間さんに会って、話をしてみると見えてるものの違いは痛感する。質問すると「そうじゃないし」って怒られることもあるから(笑)

江藤高志
年々風間さん時代の選手が減って、すでに半数以下になった。そういう意味でも風間さんの遺産はなくなりつつあるのは間違いないです。

下田恒幸
ある意味広島に近いかもね。広島はミシャのパターン練習の繰り返しで、全員が同時に同じ動きができるような、あまり横文字を使いたくないけどオートマティズムを作っていた。

■広島との比較

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