別視点の川崎vsチェルシー、広島FW状況、詳細な山形レビュー『ひぐらしひなつオススメ3本』(J論)

中野吉之伴「子どもと育つ」

集合ではなく、プレーに集中できる指導とは何か?【2月特集「日本で感じたこと」vol.2】

 帰国活動すると、気づくことがたくさんある。

子どもたちのトレーニングをしたり、保護者や指導者のそぶりを見たり、話しを聞いたり。例えば、「練習しよう」と子どもらを集めるとき。毎回ちょっとずつやり方を変えて試している。手をちょっとたたいて音を出したり、手でこっちこっちとジェスチャーをしてみたり、1〜2人の子どもにだけわかるように呼んでみたり。

選手たちがどう反応するかを観察している。

ただ日本だと、集合はたいていスムーズだ。しかも、とても。最初は気づかなかったり、遅れて反応したりする子は出てくる。でも、それは当たり前。そういう合図しか送っていないのだから。でも、そのあと誰かが気付き、「あれ? 集合みたいだよ」となるとスッと集まってくる。それを見て、他の子たちも次々に集まってくる。ふざけている子がいたとしても、その子たちも多少は遅れても集まってくる。

本当に「すごいな」と素直に感心する。

でも、ドイツだとそうはなかなかいかない。「10秒以上に集合しようか。いくよ。10! 9! 8! 7…」とか、「集まった順番に最初の練習をやるよ。誰が最初かな?」とか、あの手この手を考える。集まっても、みんなが口々にやりたいことを話し出したりもする。だから、最初は「コーチが話をしているときは聞く」「意見やアイディアがあるときは手を上げる」というルール決めが必要になる。そして、「集合が遅くなったり、いつまでもふざけたりしていると君らのサッカーする時間がどんどんなくなっちゃうよ」と伝えていく。とにかく、いろいろ試行錯誤しながら取り組んでいるわけだ。

そんな毎日なので、日本でのトレーニングは本当にスムーズにいくと感じている。でも、そう感じているのが私だけだということが少なくない。練習後、指導者や保護者が私のところに来て、「いや、中野さんが集合ってやってるのに、なかなか集まらないからヒヤヒヤして」「ダッシュで集合しなくてすいませんでした」みたいなことを伝えに来る。

「いやいや、要求高すぎませんか? ちゃんと集まれていますよ」

(残り 2301文字/全文: 3152文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック
1 2
« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック