クラウス・パプスト「なぜ子供たちは練習に来るのか。サッカーをしたいから以外に理由がないだろう?走る練習をするなら陸上クラブに行けばいい」
▼ クラウスとのディスカッションはとても大事な学習機会
ドイツでこれまで僕が知り合ってきた指導者の多くには、オープンな人がとても多い。最初の距離感に違いこそあるけど、こちらの疑問や不明点に対して懇切丁寧に説明をしてくれるし、僕の見解に対しても興味深く耳を傾けて、理解を示したうえで話を次のステージへと運んでいく。
もちろん時には向こうが間違っていたり、見当違いなことを言い出すことだってある。それに対してこちらが「それ間違ってるんじゃない?」と指摘するだけでは、「なんでだ?そんなわけはないだろう?」と受け入れてもらえない。
でも、こちらが論理的にポイントをまとめて説明して、指摘していくと、「なるほど、そう考えるとそっちの方が理にかなっているな」と理解を示してくれる。そこで怒り出したり、不満顔になったりはない。
どのように理解し、どのように伝えるのか。
これは大事な要素だ。会話におけるこうしたやり取りはすごく刺激的で、心地いい。僕のディスカッション能力や論理的な思考能力は、間違いなくドイツのこうした環境で育まれてきたんだなと実感している。
いろんな影響を受けた指導者がたくさんいるなかで、元FCケルン育成部長のクラウス・パプストは僕にとって、大事な指導者仲間で友人だ。これまでに何度もサッカーに関するディスカッションを行ってきたが、毎回サッカーの話だけにとどまらず、教育の話から社会のあり方、そのなかで大人の関わり方について、深いところまで踏みこんでいくことができる。
今回はそんなクラウスとのやり取りをご紹介したい。この会話自体は4年程前のものだが、今見ても大事なことがたくさん語られていると思う。
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