中野吉之伴フッスバルラボ

【指導論】子どもたちは適切なトレーニング・試合環境があればどんどん成長していくが、それは若い指導者にとっても当てはまる

フライブルガーFCでも若手指導者が増えている。写真左の白シャツの彼は20代前半U14コーチ

▼ 若手指導者と経験ある指導者の融合を目指して

※フットボリスタに寄稿したコラムより転載

僕は現在43歳の育成指導者だ。

日本の現場だとどうだろう? 世代交代が進んでいるところもあるだろうが、全国的にみたらまだまだ若い部類に入るのではないだろうか。

今所属しているフライブルガーFCというクラブの育成スタッフ全体で、僕は上から3番目。クラブが力を入れているU13以上のチームで見ると最年長になる。周りを見ると圧倒的に若い指導者ばかり。ここ2シーズン連続で僕はU13監督をしているが(20年9月現在)、昨季も今季もコーチ陣は21歳の大学生だ。

ただ、その素質は素晴らしい。

今季に関して言うと、U13は3人体制をとっているが、若い2人の指導ぶりを見ていると「俺はいなくても別に大丈夫なんじゃないか?」と思うほどだ。正直危機感を感じながら、現場で頑張っている。

頭ごなしに怒鳴りつけることなんてないし、子どもたちとじゃれ合ってふざけるだけではない。プレーにおける修正点をクリアにして、どんなプレーが求められるのか、なぜそうなのかを丁寧に説明できる。

教科書に書かれている言葉を音読するようにではなく、しっかりと気持ちを込めて、自分の言葉でアウトプットする。トレーニングや試合による負荷を考えて、いつどんな練習をしたらいいかを真剣に考える。そして、こちらのアドバイスにも素直に耳を傾ける。

子どもたちは適切なトレーニング、試合環境があればどんどん成長していくが、それは若い指導者にとっても当てはまるのだなと実感している。

(残り 3024文字/全文: 3782文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック

会員の方は、ログインしてください。

1 2
« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ