中野吉之伴フッスバルラボ

【指導論】育成アドバイサーとして関わって5か月。「クラブの指針を作る」「ゲームモデルを考える」なかで生まれている指導者同士の積極的なコミニュケーション

▼ 育成アドバイザーとしての関わり方

愛知県で活動する碧南FC育成アドバイザーとなってもう早いもので5か月がたった。

オンラインでのやり取りばかりなので、実際に現地でやり取りできないのは何とももどかしいが、それでも毎月クラブ代表を中心にミーティングを行いながら、少しずつクラブとしての方向性が整ってきていると感じている。

僕の立ち位置で具体的にどんなことをしているのかをちょっと説明してみよう。

「ドイツで僕が培ってきたサッカー観をすべて注入する!年代別のやり方をがっちりと植え付けて、日本でサッカー革命を起こすのだ!」

というわけではない。

クラブにかかわる人たちが主体となって築いていくことが大切だから。その地域にあるクラブとして、どんな活動をしていくことが互いにプラスになるかを、自分たちで気づいて、自分たちで見つけて、自分たちで作っていくことが大切だから。

だからクラブ内で活発にコミュニケーションを取り合う環境を作っていくことがとても重要になる。「俺、こう思ってるんだよね」というのを口にして出せるようになるように関わることを目指している。

そうした点でみてみると、僕が関わるようになる前と比べたら、クラブ内の指導者間でだいぶ活発にコミュニケーションがとられるようになってきたと思われる。

ZOOMミーティングでは気になったことをみんな隠さずに口にするようになっているし、そのおかげもあり、新しいディスカッションが生まれてくる。

やはりそれぞれのやる気や情熱をダイレクトに出せる場があることで育まれるパワーは素晴らしい。

もちろん関係者全員が同時に、同じような熱量で同じように関わるようになるとは思っていなかったし、そうでなければならないとも思わない。

関わり方は人それぞれだし、みんなそれぞれに生活があって、サッカーに対する考え方があるのだ。強要することはできない。

少しずつでももうちょっと関わりたいなと思えるような空気感を作っていくことがやはり大切なのだろう。

(残り 2209文字/全文: 3033文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック

会員の方は、ログインしてください。

1 2
« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ