「ゼルビアTimes」郡司聡

相馬直樹監督「本当に勝ちたいという思いが、ベンチから見ていても伝わってくるゲームだった」+鹿児島・金鍾成監督、堤俊輔、水本勝成【鹿児島ユナイテッドFC戦/選手・監督コメント】

■明治安田生命J2リーグ第5節・3月24日(日)13:00キックオフ
白波スタジアム/7,192人
鹿児島ユナイテッドFC 0-1 FC町田ゼルビア
【得点者】町田/45分 中島裕希(PK)

◼︎相馬直樹監督(町田)
ーーまずは試合の総括をお願いいたします。
「遠い鹿児島までたくさんのサポーターに来ていただき、大きな声で、われわれの後押しをしてくださいました。本当にありがとうございました。一緒に勝ち点3を持ち帰ることができて、非常にうれしく思っております。勝ちがない中でそれでもわれわれを信じて選手たちを戦わせてくれました。本当にありがたかったと思っております。

ゲームのほうは、われわれはここ最近勝ちがなかったのですが、非常にボールをつなぐ力がある鹿児島さんを相手に、自分たちらしくボールを奪いに行く姿勢を出して戦おうと選手たちに話をして準備をしてきました。選手たちはそれをピッチの上で表現してくれたと思っています。

得点は、PKによる1ゴールという形でしたが、前に行く姿勢は、最後まで途切れることなくやってくれましたし、選手たちがそういうふうに戦ってくれたので、本当に感謝したいなと思います。

もちろんすべてがうまくいくわけではないですが、うまくいかない中でも、粘り強く戦って最後に体を張って失点を0で抑えたことも含めて、本当に勝ちたいという思いが、ベンチから見ていても、伝わってくるゲームだったと思います。

試合に出ていた選手もそうですが、町田に残っている選手もいます。みんなで準備を進めてきた中で勝利を勝ち取ったものだと思います。これをしっかりと次につなげていきたいと思っています」

 

ーー開幕戦以来の勝利について、どう捉えていますか?
「もちろんゴールもそうだと思いますが、やはり勝利が一番チームを元気づける、そういうことにつながると思います。やはり勝ちがない中ではどうしても下を向きがちになりますし、少しそういったことがメンタル面に出ていたと思いますが、われわれからすれば、もう一度原点を思い出さなければいけないと言われていたようなものだったと思います。

選手たちには先ほども話しましたが、やり切るということ、そしてうまくいかない時も粘り強く助け合うということをやってくれました。そこを失わないようにすることが大事で、それを気づかせもらった3連敗だったと思っています。今後気づいたことをどれぐらいしっかりと継続していけるかということに尽きるのかなと思います」

 

ーー試合前、勝敗を分けるポイントは先制点と仰っていたのですが、その先制点をきっちり守り切って無失点で勝ちました。この勝利は、試合を振り返ってあらためていかがですか?
「もちろん後半に追加点が取れることに越したことはなかったのですが、鹿児島さんの負けられないという圧力もあった中で、粘り強さや、ただボールに行くだけではなくて、粘り強く戦えたことは評価できることだと思いますし、これを継続していけるかだと思います。またそこに上積みもしていかなければいけないと思いますが、まずは原点をしっかりと思い出すことが、われわれにとって一番大きいことだと思います。勝ったことで自信を取り戻していく、先制点はそれを助ける意味のものでもあったと思います」

 

ーー次節のホームゲームに向けて一言、お願いいたします。
「大事なことは、目の前の1試合にすべてを注ぎ込めるかどうかだと思いますので、また次の試合でそういう状態でキックオフのホイッスルが鳴った瞬間に、襲い掛かれるような準備をしていきたいなと思います」

 

ーー先発メンバーはいろいろな可能性があった中で、今日送り出した部分もあったかと思いますが、特に中盤の構成の部分で戸高選手と奥山選手を起用した意図を聞かせてください。また、彼らを使ったことで実際のピッチ上にどのように反映されたかということも含めて、お話を聞かせてください。
「(戸高)弘貴に関しては、攻撃でも守備でもスイッチを入れられる選手だと思っています。そういう仕事ができる数は、正直もう少しできるかなと思っていますが、彼にしかできないプレーをいくつか見せてくれたと思っています。そういった意味では今日の勝利を勝ち取ることにおいて、大きな仕事をしてくれました。

マサ(奥山)に関しては、ウチでボランチで出たのはほとんどないんじゃないでしょうか。彼がもともとボランチの選手であったということも分かっている上で、サイドバックとしてプレーしてもらっていましたが、(井上)裕大が出場停止という中でいろいろな組み合わせを考えた時に、やはりボールを奪いに行くけれども、鹿児島さんにボールを握られてしまう時間帯もあるだろうと想定していました。その中でマサは慣れないポジションで難しい部分もあったかと思いますが、広いエリアをカバーしてほしいという期待を込めて、ボランチでプレーしてもらいました。

広いエリアをカバーしてボールを奪うことやセカンドボールを拾うこと、そしてチームメートが圧力を掛けに行った場面でそれをサポートすることなど、そういったことが大まかに彼に期待していたことでしたが、しっかりとできていました」

 

ーー試合を見ていて鹿児島側がスローインやセットプレーを仕掛ける時に、町田さんはかなりコンパクトに距離を詰めてくることで、攻めにくいなという印象を抱いたのですが、やはりそういったことも徹底してきたことなのでしょうか?
「もちろんそれだけではないですが、そういったことは大きなポイントの一つですし、一番大事なことはファーストディフェンスです。相手ボールであれば、どれくらい距離を詰められるか、それを詰めた時に一人にしてはいけないよ、ということです。チームなので、お互いをカバーする状況を作ることで、思い切り行けるようになると思います。今日の試合に関しては、次のことを予測して動けているという時間帯が非常に多かったと感じています。

ボールが一つ動けば、それこそボールの持ち方を変えるだけでも、11人全員が立ち位置や体の向きを変えなければいけないのですが、そういった意味で今日の選手たちは本当に高いアラート状態で戦えていたと感じています。そういったことが結果に結びついていますし、あれだけやって、結果に結びつかなかったら、かわいそうだなと。それこそそうなったら、監督の私の責任ですが、自分たちでしっかりと戦って、その努力を勝ち点3にできたこと、苦しい時間帯もしっかりと粘り強く戦えたことを含めて、選手たちはよく頑張ってくれたと思っています」

 

◼︎金鍾成監督(鹿児島)
ーーまずは試合の総括をお願いいたします。
「現状のわれわれのチームの力が反映されたゲームになったかなと思っています。ゲーム運びに関しては、ボールを動かしながら、勝利に持ち込むために戦っていますが、ゴール前での最後の点を奪うための力が備わっていないかなと思います。守備に関してはPKを与えた場面のようにあのエリアで慌ててはいけないということはあるにせよ、現状の守備はしっかりと守れている印象ではあります。

あの流れの中でチームとしてどう点を取っていくのか、それが今後の鍵になってくるということを感じられる試合になりました」

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