【Voice of the Pitch】左サイドの思考~堀米悠斗選手インタビュー②~
状況を見て判断し、選択する。今、堀米悠斗選手が体現するプレーは、知的好奇心を大いにくすぐってくれます。サッカーの面白さを存分に感じさせつつ、勝利への、J1昇格への強い思いがあふれ出る左サイドバックの思考に迫ります。
■あの貴章さんの姿を見たらスイッチが入る
――前節、千葉戦の後半。最後は割り切った守備をしたということですが。80分くらいの守備で、こちらの右からのクロスに対して、相手の右サイドハーフ、見木友哉選手に付いていく形でゴメス選手(堀米悠斗選手の愛称)が中に絞ってきてニアサイドでクリアしたシーンが印象的でした。
「59分に1点返された直後は、大武(峻)くんも『もう一度、自分たちのリズムにしたね、つなぎたいよね』ということを言っていたんですけど、結局、チーム全体で見ると奪ったボールを大きく蹴っちゃったり、まったくマイボールにならなくなった。それで、残り15分くらいから、『守り切ろう』という話になって。だから、クレーベ選手には大武くんがマンツーマン気味に付いて、サイドハーフが中に入っていって、本来であればセンターバックが対応するような位置でも、僕が付いていった方が守れる確率は高まるだろう、と。あの場面、ぎりぎりでしたけど、触ることができました」
――最終的には、クレーベ選手がゴール前ではなく、落ちて、ゴール前にボールを蹴るような形にまで持ち込んだ。ゴール前の守備を引き締められた証拠だと感じました。
「クロスも上げさせなくなったし、割り切って正解だと思いながらプレーしていました。相手も最後はパワープレーのような感じになって。
(矢野)貴章さんと達さん(田中達也選手)が交代で入ってきたことも、割り切った感を出せた理由の一つです。メッセージのある交代でした(貴章選手は62分にフランシス選手に代わって、達也選手は77分、シルビーニョ選手に代わって出場)。あのふたりが入って、やるべきことをやって、切るべきところを切ってくれたおかげで、守備はかなり持ち直すことができました。
達さんも貴章さんも、ボランチのところにしつこくプレッシャーを掛け続けてくれたし、貴章さんが二度追い、三度追いした場面があったじゃないですか。あれを見せられたら、やっぱりみんなスイッチが入りますよ。かなり勇気づけられました」
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