ニイガタフットボールプレス

【頼もう、感想戦!feat.島田徹】~明治安田J2第28節・ギラヴァンツ北九州戦vol.3~「狙いと狙いのせめぎ合い」

ピックアップしたゲームを選りすぐりの論客と語り尽くす、この企画。今回は、福岡在住ライター島田徹さんと第28節・北九州戦を語り尽くします。ギラヴァンツを深く取材する島田さんとの対話は、まるで試合の“答え合わせ”のよう。そして見えてくる、両チームにとっての「勝点1」の意味合いは?

■北九州が開幕当時のスタイルだったら…

――試合後、北九州からはセンターバック(CB)の岡村和哉選手とFWの佐藤亮選手が会見に出てきてくれました。岡村選手ははきはきとした口調で、話がとても分かりやすかったです。

「ベテランらしい落ち着きがあるんだよね。長く在籍した讃岐で、毎年のように残留争いの重圧の中、プレーしてきた経験の持ち主だから、耐えることができるんだよ。耐え方を知っている。そういう岡村選手の存在が、今のチームは本当に助けてくれていると思う。会見に出てきたもう1人の佐藤選手も、しっかりしゃべることができるでしょ?」

――そう感じました。『新潟戦の前、練習後に小林伸二監督とじっくり話すことができて良かった。思うところもあったけれど、吹っ切れた』という発言に、ちょっとドキッとしてしまいましたが。

「俺もその話の内容を聞こうかと思ったんだけど、zoom会見だったからね。次の練習取材のときにじっくり聞こうと思って、あの場では質問するのはやめといた」

――島田さんは、佐藤選手と小林監督との会話の内容を、どう推理しますか?

「伸二さんに、俺は走ってなんぼの選手だというところを伝えたんじゃないかな。リーグが再開してから、佐藤選手は60分とか70分で交代していたんだよ。だけど『自分はまだ全然余力がある。走れます』というのをアピールしたんだと思う。ギラヴァンツには、そういう風に主張する選手は少ないからね。伸二さんも粋に感じて、それで新潟戦では久々のフルタイムでのプレーだったんじゃないかな」

――めちゃめちゃ走ってましたよね。

「何度も背後に抜け出そうとしていたね。それがチームの狙い目でもあったはずだし。新潟に攻め込まれるだろうから、裏抜けのカウンターを狙おうよ、頼むぞ亮、という感じで。だからこそ、決定機を作れなかったことに責任を感じていたんじゃないかな」

――試合後の会見でも、『その駆け引きが甘い、まだまだです』的な発言がありましたね。

「真面目な性格だから、すごく責任を感じるタイプなんだよ。ちょっと見ているこちらが心配になっちゃうくらい。だけど、そうやって自分にプレッシャーを掛けて、エネルギーに変えられるタイプでもある」

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