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【ユナパな話】VOL.27「イタリア(というかコンテ)のお勉強」

●独特のアズーリ
予備知識シリーズも今回で最後です。フアン エスナイデル監督はスペインでキャリアを積んだアルゼンチン人ですが、99~01年はユベントスに所属していました。今季のサッカー的にもイタリア、というかアントニオ・コンテ監督のテイストもちょっと入っているかなと思いましたので、イタリア編を追加することにしました。

イタリアのサッカーをざっくり説明しますと、ワールドカップ連覇(34、38年)のメトードと呼ばれた時代の後、60年代からカテナチオの時代に入ります。代表に関しては、90年イタリアワールドカップまで基本的にずーっと同じやり方でした。

守備は相手のアタッカーにマンツーマンでついてリベロが余ります。相手の主要アタッカーの数は時期によって異なりますが、マンツー要員はだいたい5人います。プラス、リベロの6人が守備陣ですね。あとは中盤の司令塔、中盤から前線にかけて動くワーキング・ウインガー、FWが2人という構成です。

左サイドバック(SB)だけはポジション固定で、攻撃型の選手を使っていました。ポジション固定なのは左利きが稀少だからでしょう。司令塔以外のMFは相手をマークする仕事が重いものの、1人は司令塔を補佐する攻撃力のある選手が起用される傾向がありました。

イタリア

90年ワールドカップを最後に、マンツーマンからゾーンへ移行してカテナチオの時代は完全に終わります。ただ、そのリアリストのDNAは現在にも受け継がれています。

●中盤をスキップする攻撃
話は思い切り飛びます。コンテです。現在、最も成功しているイタリア人監督でしょう。10-11シーズンにシエナを率いて「4-2-4」で脚光を浴び、11~14年にユベントスでセリエA3回優勝、勝率は驚異の67.55パーセントでした。14年から昨年のユーロまではイタリア代表監督、今季はチェルシーでプレミアリーグの首位を走っております。

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