ロクダス

新シリーズ「サッカーカメラマンの生理」うまいシュートこそ撮れない理由

文・写真=六川則夫

このコーナーでは、サッカーの試合をどう撮影したかという技術的な話ではなく、サッカーカメラマンの生理のようなものについて、語ってみたいと思っています。そこで何を感じたのか。そんなエモーショナルナルな部分にフォーカスして、サッカーの魅力、それを映像で再現する気持ちいい!をあなたにお届けします。

 

■ゴールシーンとカメラマン

カメラマンにとってサッカーといえば、マストとされるのがゴールシーンです。何故かといえば、ラグビーやバスケットボールと比べて、一点の重みがとてつもなく大きいからです。ゴールの快感は、ゴールゲッター、それをアシストした選手のみならず、スタジアム全体で共有できます。まさに鳥肌がたつ瞬間でしょう。ファン・サポーター同様カメラマンの達成感も、その一点に尽きると言い切っても過言ではありません。ゴールシーンは職業カメラマンとして最大のミッションです。しかし、その至福の瞬間を捉えるのは意外と難しい。選手に例えるなら、シュート・オン・ゴール以上に難しい。仮に運よく撮れたとしても、写真的に、いや作品的に納得できるものは思ったほど多くありません。報道的価値としては、多少ピントが甘くても、その瞬間に勝るものはありませんが、ゴールシーンを落とさなくてよかったという安堵感のほうが先に立ちます。

 

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