仙蹴塵記

【あの日のハーフタイム2019】(4)オープンな展開にはしたくない

○2019明治安田生命Jリーグ第3節 仙台vs.神戸 1-3(HT1-1)

オープンな展開にはしたくない

2019年3月6日にJリーグYBCルヴァンカップで同年公式戦初勝利をあげたベガルタ仙台は、続く10日の明治安田生命J1リーグ第3節・神戸戦での公式戦連勝を目指します。6日の鳥栖戦から中3日という短期間で、アンドレス・イニエスタら個人能力の高い選手が揃う神戸と対戦するにあたり、当時の渡邉晋監督はいくつか工夫を加えました。

ひとつが、先発メンバーに、鳥栖戦で結果を出した選手を抜擢してチームに勢いを加えること。鳥栖戦で2得点のジャーメイン良、1点の阿部拓馬(現琉球)、石原崇兆が先発しました。そして、ボランチに置いたシマオ・マテを中心に、相手中盤にボールが入った際にプレッシャーを強める地点を相手に合わせて明確化し、この試合に臨みました。

立ち上がりはこれが奏功します。あまり出足がよくなかった神戸に対して仙台は動きで先手を取り、シュートまでいけなくても最低でもセットプレーをもぎ取ります。その結果、12分にCKからシマオ・マテの加入後初ゴールで仙台が先制しました。
しかし、この後がよくありません。神戸が山口蛍を支点にして回転するように、イニエスタら中盤の選手の位置をずらします。これが仙台の守備についてはプレッシャーの位置をずらし、攻撃についてはパスの届く位置をずらす効果を生みます。位置取りのバランスが悪くなった仙台は、パスワークが途中で引っかかる展開が続き、神戸にもチャンスを作られることが増えました。多少ポジションがずれても一対一でボールを奪えるシマオ・マテの奮闘もありましたが、32分に失点。1-1、シュート8本同士という数字とともにハーフタイムを迎えました。それを受けての渡邉監督の指示は、以下の通りです。

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