SIGMACLUBweb

記者と編集者/記者・中野和也のダイアリー

SIGMACLUB10月号は9月9日、皆さまのお手元に。青山敏弘・中林洋次両選手のインタビューです。

 

今月もまた、SIGMACLUBを発送することができました。

本当に、ありがとうございます。

 

SIGMACLUBという雑誌(そしてこのWEB)は、サンフレッチェ広島とサポーターのために存在します。その一方で、編集長である僕個人の色が強く反映された媒体でもあるわけです。僕自身の見方、切り取り方、視点、表現。それを色濃く反映し、読者の皆さんに読んでいただいています。

小さな小さな雑誌ですが、創刊18年目を迎え、それなりの歴史も積み重ねてきました。ゆえに、自分自身の中にも、それなりのプライドというものが存在します。それはもちろん、読者の皆さんが与えてくれたものであり、だからこそ、大切にしないといけないものだとも思います。

SIGMACLUB やTSSサンフレッチェ広島モバイルサイト以外にも、原稿を書かせて頂く機会がありますが、たとえ小さな記事であったとしても、そこに僕の署名が入る限りは、その誇りを失わないようにしていきたい。SIGMACLUBの読者が読んで、「あれ、どうしてこんな記事を書いているんだろう」と不思議に思わないように、魂を込めているつもりです。

さて、どんな媒体であっても「編集者」という存在があります。記事の企画、ライターの選定、コーディネート、記事のチェックやタイトルワーク、写真などのビジュアル構成など、要は読者に記事を届けるための様々な演出を担当してよりいいものに仕上げていくための職種であり、僕も一応、その端くれではあります。

編集者の大きな役割の一つは、記者との信頼関係の構築です。編集者は記者から入稿されてきた記事に対し、誤字の確認や事実関係のチェック、言葉の統一なども含めて校正を行ってデザインに沿って割り付け、必要とあれば文章の削除や修正も行います。記事とはいわば食材であり、記者は生産者。その味をそのまま活かすか、それとも少し味付けを施すか、盛り付けをどうするかを考えるのは、シェフである編集者の役割です。

食材を供給する側とすれば、せっかく丹精込めてつくった素材を十分に活かした料理にしてほしいもの。しかし、予想を超えた美味に仕上げてくれるシェフもいれば、それを台無しにしてしまう編集者もいるのです。

僕の場合、2冊の単行本を出版させてくれた編集者の川端暁彦さん(元エルゴラッソ編集長)とソル・メディアの浅野賀一さん(フットボリスタ編集長)、そしてこのSIGMACLUBWEBの発行を担ってくださっているタグマの村田要さんには、本当にお世話になっています。特に川端さんの編集者としての仕事に対しては、全幅の信頼。彼は僕の単行本用の原稿をしっかりと調理し、盛り付けしてくれて、一つの本として完成させてくれました。たとえ原稿に手を入れられても、彼の仕事であれば全く問題なし。僕という記者の味をしっかりと活かしつつ、より高い完成度へと導いてくれた。本当に感謝の一言です。

ここでは名前をあげていない方々も、僕を信頼してくれる人がほとんどであり、おかげさまで気持ちよく仕事ができています。ただ、中には全く、記者の「味」を考慮しない編集者の方もいるんです。

(残り 1674文字/全文: 3086文字)

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