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【緊急集中連載】ミハエル・ミキッチ物語 Part.3

すごい。

森崎和幸は、目を見張った。それほど、開幕戦でのミハエル・ミキッチはインパクトを与えた。

彼は前年、グロインペイン症候群のためにトルコキャンプを棒に振り、ミキッチが初めて広島と遭遇した対ディナモ・ザグレブ戦に出場していなかった。別メニュー調整のためグラウンドにも行くことができず、ミキッチの存在は噂に聞くだけ。2009年のトルコキャンプにおけるディナモ・ザグレブ(コバチやマンジュキッチらスター選手がプレー)との再戦でミキッチは大活躍、1アシストを含む2点に絡んで3−4という「善戦」の原動力となりはしたが、あくまでトレーニングマッチだ。Jの公式戦でどれだけできるか、それはやってみないとわからない。カズだけでなく、周りの選手たちはそう思っていた。

それはミキッチ自身も同じである。もちろん、自分の力を発揮できれば、間違いなく活躍できる。そう考えてはいたが一方で、今までとは全く違う文化を持つ国で、力を十二分に発揮できるかどうか。

移籍の難しさはわかっている。ドイツ・ブンデスリーガでも、最初の年は力を認めてもらえず、サブに甘んじていた。ブンデスリーガとJリーグではレベル差は明白だが、かつてはガリー・リネカー(イングランド)やベベット(ブラジル)のようにワールドカップで活躍したスーパースターも、Jで力を発揮できなかった事実は重い。移籍とは、海外で活躍することは、さほどに難しい。

「明日は、日本での初めての公式戦となる。緊張感はあるけれど、全力を尽くして、勝てるように頑張りたい。(開幕戦で対戦する)横浜FMは、いいチームだ。なるべくミステイクをしないようにプレーしないといけない。右サイドを突破し、いいアシストができればいい。私自身もいいパスが出れば、ゴールに向かいたいと思っている」

試合前日、ミキッチは緊張した面持ちで言葉を連ねた。それは翌日の爆発に向けての予兆でもあった。

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