【アウェイ見聞録】札幌/青春の街。美食の街。
「もう、ウニの季節は終わるんですよね」
札幌のど真ん中にある大通公園から徒歩圏内にある二条市場の居酒屋さんで、熱望していたウニを注文した時、そこのご主人がポツリと言った。
「特にエゾバフンウニは、今年最後のタイミング。運がいいね」
へー、そうなんだ。確かに、ついてるな。
待って、待って、出てきたのが上の写真のウニ。エゾバフンウニ。
パクリ。
「最初は醤油も何もつけず、食べてください」と店の人。そんな言葉を待つまでもなく、かぶりつく。
あまっ。うまっ。溶けるっ。
そんなに安いわけではない。大事に食べて。
でも注文したのはカメラマン。あっという間に、パクリ、パクリ。
「おいしーっ、すごーいっ」
あっという間になくなった。でも、こんなにパーフェクトな美味しいものって、あるんだろうか。
「焼くのに20分近く、かかります」
「はい、お願いします」
前にすすきので食べた時は、あっという間に出てきたホッケ。あの時は案の定、パッサパッサ。
今回は20分近く、じっくりとじっくりと。ウニに満足し、ホタテにホクホクした後に、満を持してやってきたホッケくん。美味くないわけがない。
ふんわりとした身。適度に乗った脂。筆者は「脂ノリノリ」はそんなに好きではない。何事もバランス。脂と身と、ヤジロベーのようにバランスがとれていると、旨味がある。いやあ、美味いと甘い、言葉が似ているのは当然。見事な甘みが上手さに直結する。
「骨の近くが美味いんだよね」
カメラマンがそう言いながら、ほじるように身をとり、そして食べる。食べて、食べて、食べ尽くす。広島の居酒屋で食べるよりも二回りくらい大きなホッケが、あっという間に骨だけに。
二条市場では、魚屋さんの店頭で貝などを自分で選び、その場で調理してもらって食べることができる店が多い。
(残り 1427文字/全文: 2164文字)
この記事の続きは会員限定です。入会をご検討の方は「ウェブマガジンのご案内」をクリックして内容をご確認ください。
ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。
会員の方は、ログインしてください。
外部サービスアカウントでログイン
Twitterログイン機能終了のお知らせ
Facebookログイン機能終了のお知らせ