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【広島0ー1浦和】運の存在を考えてもいい浦和美園の夜

漆黒の中にカクテル光線がより一層、輝く。いつもの埼玉スタジアムの光景が敗戦に傷ついた心に痛い。

しかも、帰りのタクシーの予約を忘れていた。JapanTaxiで配車を手配しようとしても、多くのJリーグではスタジアムの中に入れるタクシー会社が決まっているからか、アプリでの配車ができなくなっている。

仕方ない。浦和美園駅まで歩くか。

そう考えて、重い機材をひきづりながら、歩いた。

歩きながら、試合のことを考えた。

たしかに、負けた。「負けに不思議の負けなし」は、故野村克也氏の名言である。「現象にはすべて理由がある」。これは、名探偵ガリレオの口癖だ。

では、敗因とは何か。

PKをとられたことか。いや、それは「現象」である。その現象が起きた理由は何か。

汰木康也の裏への抜け出しを止められず、ハイネルが足を引っ掛けてしまった。いや、たしかにそのプレーでPKをとられてしまったが、それもまた、結果に過ぎない。

相手陣内に押しこんだあとで縦パスを入れられ、レオナルドにボールを運ばれ、スルーパスを入れられた。それによって汰木にウラをとられてしまった。となると、レオナルドにスペースを与えてしまったことが問題として浮かび上がり、その前の段階で相手を潰せなかったこと、入れ替わられたことを悔やまないといけない。前を向いたレオナルドに対して、もう少し詰めることができなかったか、そこは悔いが残る。

だが、そこはすべて、後付けの話。

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