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空気を変えた鮎川峻のパワー/広島6-2磐田Part.1

1本目は課題ばかりが見えた。

圧倒的に攻め込み、ドウグラス・ヴィエイラが細かなパス交換をゴールという形に収斂させたところまでは、よかった。

だが、ここから妙に落ちついてしまった。7分には磐田にプレッシャーを掛けられてPA近くの左サイドでボールを奪われ、大森に決定的なシュートを打たれる(この時、ゴールされたように見えて速報で「同点」と打ってしまったほどの被決定機だった)。

広島も決して攻撃できなかったわけではないが、イメージとは違う展開になっていたことは間違いない。もちろん、磐田の先発は遠藤保仁や山田大記といった経験豊富な選手が揃っていて質も高いが、彼ら相手に自分たちのサッカーができないとすれば、J1では無理だ。

26分、柏に代わってジュニオール・サントスが入った後は、難しさが明確になった。

ドウグラス・ヴィエイラもジュニオール・サントスも、コンディションはまだまだだ。だがそれ以上に、前線からの守備がうまくいかないことが厳しさの要因。前から行こうとはしているのだが、そのプレスは激しさを欠き、2人ともどこかこわごわと、プレーしていた。彼らの状況を考えると、致し方ないことではあるが、現実は現実である。

38分、前からのプレッシャーを外され、中央でボランチをフリーにしてしまい、ロングキックを打たれた。そこに大森が飛び出してカウンターを受け、数的不利な状況で最後は小川航基に決められた。

だが、難しい状況を一気に変えた若者がいた。鮎川峻である。

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