「スタンド・バイ・グリーン」海江田哲朗

【マッチレポート】J2-1[H]北海道コンサドーレ札幌戦『決断の刻』(2016/02/29)

2016年2月28日(日)
J2第1節 東京ヴェルディ vs 北海道コンサドーレ札幌
13:03キックオフ 味の素スタジアム
[入場者数]9,272人 [天候]晴、中風、気温15.4℃、湿度33%

東京V 1-0 札幌
前半:0-0
後半:1-0
[得点]1-0 アラン・ピニェイロ(75分)

●東京Vスターティングメンバー
GK1  柴崎貴広
DF2  安西幸輝
DF3  井林章
DF15 ウェズレイ
DF6   安在和樹
MF30 高木純平(87分 田村)
MF13 船山祐二
MF14 澤井直人(70分 アラン)
MF10 高木善朗(90+5分 平本)
MF7  杉本竜士
FW17 ドウグラス・ヴィエイラ
(ベンチメンバー:GK26太田岳志。DF5平智広。MF16中野雅臣、20井上潮音、23田村直也。FW9アラン・ピニェイロ、25平本一樹)

[4-2-3-1]

■上々のスタートを切った東京V

2016シーズンの幕開けだ。2月28日のJ2第1節、東京ヴェルディは北海道コンサドーレ札幌を1-0で破った。2012年3月4日、松本山雅FCを2-0で下して以来、4年ぶりの開幕戦勝利である。

新しいチームの船出とあって、見どころの多いゲームとなった。

中盤の底は、高木純と船山の新加入コンビ。高木純はプレーがはっきりしているのがいい。寄せるときは躊躇せずに寄せ、身体を激しくぶつける。ボールを下げるときも同様に、中途半端なプレーをしない。プロ16年目と経験のある選手らしく、均衡が崩れてチームがグラついていると見るや、両手を上げ下げして落ち着けというジェスチャーを見せた。

「得点の入る少し前から、変化は感じていました。特に感じたのは前半。立ち上がりは僕らのペースでしたが、30分過ぎから少し押し込まれたんです。流れが札幌に傾いていると感じたので、長いボールで相手を裏返し、向こうの陣地でサッカーをすることが必要だと思いました。相手の陣内でプレーすれば、ノーリスクでやれる。そのあたりの共通意識の持ち方ですね。若い選手が多いぶん、わからないことも多いでしょうから、積極的に声をかけていきたいと考えていました」

また、守備を安定させ主導権を握るために心がけたポイントについて、高木純はこう語った。

「意識したのはボールを奪ったあと。そこでパスミスをしてしまうと、またリズムが出なくなってしまうので、確実に味方につなげることを意識しました。マイボールにしたあとの1本目のパスを大切に」

このように、話しぶりもいいのだ。試合を振り返り、自分のプレーとチームの状況、両方が頭のなかが整理できている。よくもこう、記者から次々に浴びせられる質問に対し、すぱっと答えられるものだと感心しながら聞いていた。

僕はといえば、しょっちゅうわからなくなるのだ。なんで負けちゃったのかなあ。どうしてこんなに点が入ったんだろう。その度に頭を冷やして考えてはみるのだけど、大抵は理由を見つけられず途方に暮れる。そこそこ長くこの仕事をやっているが、わからないものはわからないのだからしょうがない。

毎年、チームは装いを新たにするが、理路整然と語り、丁寧に解説してくれる選手が2、3人はいる。今季、困ったときは高木純に頼ることが多くなるだろうと予感している。

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