「スタンド・バイ・グリーン」海江田哲朗

【新東京書簡】第三十信『プロ17年目のおめでとう!』海江田(17.11.22)

新東京書簡

第三十信 プロ17年目のおめでとう!

■気はやさしくて、力持ち

11月19日のJ2最終節、東京ヴェルディは徳島ヴォルティスを2‐1で下し、5位で初のJ1昇格プレーオフ出場を決めた。

この日の最注目カードとあって、メディア関係者はにぎやか。アルビレックス新潟を応援するコラムニストのえのきどいちろうさんも駆けつけ、席を並べて観戦した。

試合前、えのきどさんから勝算を訊ねられたおれは、「徳島は強いですよ。10回やって、2、3回勝てるかどうかだと思います」と答えている。多少謙遜気味に言ったつもりだったが、実際、徳島の強さはそれ以上。ヴェルディは押しまくられ、ほとんどの時間、守備の対応にてんてこまいだった。

どっしり腰を据えて策を講じるロティーナ監督と、1点取られたらすぐさま交代カードを切って流れを引き戻すリカルド・ロドリゲス監督。両者のベンチワークもじつに見応えがあった。

88分、内田達也が勝ち越しゴールを決め、長いアディショナルタイムの末に終了のホイッスル。えのきどさん、「おめでとうございます」と言ってくれたね。ふだん、人からおめでとうなんて言われることはめったにないからさ。「いやいや、まだこれからっス。5位になっただけで」と言いつつ、じんわりうれしさが込み上げてきた。やってくれたのはチームで、こちとら外野は見ていただけ。そんなのは百も承知のおめでとう、である。

この日、おめでとうという言葉が最もふさわしいのは、ゴールキーパーの柴崎貴広に違いない。プロ17年目、ついに全試合フルタイム出場を果たした。徳島戦もファインセーブを連発し、チームの危機を救ってくれた。

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