「スタンド・バイ・グリーン」海江田哲朗

【新東京書簡】第三十九信『やっぱりイニエスタ』後藤(18.5.23)

新東京書簡

第三十九信 やっぱりイニエスタ

■青赤にもいる? イニエスタ

この原稿を書いている23日16時59分、NHKがイニエスタのヴィッセル神戸への加入を報じた。その後、他のメディアも続々。前回、海江田さんが最後に書いた言葉は現実になりそうだ。やっぱり言ってみるもんだね。イニエスタのプレーを恒常的に観る体験。楽しみで仕方がない。

とはいえ、イニエスタも34歳。彼がJでもうひとふんばりしている間に次代のスターを育てないといけない。それが日本人ならなおのこといい。

ヴェルディの注目株として、海江田さんは渡辺皓太を挙げてくれた。ヴェルディの下部組織で育ち、年代別代表に選ばれつづけ、2種登録でトップデビュー。残る刺激は海外移籍くらいのものだろうが、その前にヴェルディでロティーナ監督の薫陶を受け、開発の努力をして過ごす日々も貴重なものなんじゃないかな。しかもJのものさしでイニエスタの力を確かめ、都合さえつけば間近で観ることもできる。

2000年代のFCバルセロナは日本のサッカー少年に絶大な影響を与えた。そしてイニエスタにそれほどのめりこんでいるわけではない渡辺が、客観的に“モデル”としてめざさざるをえないほど、イニエスタは偉大な存在になった。イニエスタに影響を受けた若者が日本全国に散らばる現在、FC東京にも「イニエスタのようだ」と言われる選手がいる。調布の星、平川怜。自らイニエスタを好きな選手に挙げている。

選手の器は育成年代までで決まる。さいわいなことに平川はパスを重視するFC東京U-15むさしで育ち、イニエスタ的な方向性の要件を揃えた。渡辺同様、現状の育成システムに於いては、かなり恵まれた部類の体験をしてきている。

あとは刺激を受けて実戦で鍛えていくしかない。平川はパスを捌いてゲームを司るだけでなく、

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