「スタンド・バイ・グリーン」海江田哲朗

【マッチレポート】J2-21[H] 横浜FC戦『軸をどこに定める』(19.7.7)

『キッズパークでは、今年からスタートした東京ヴェルディ女子ホッケーチームによる体験会を実施。FW9井上燦(左)、FW4稲田くるみ。チームは9月14日に鹿児島で開幕する、女子第41回全日本社会人ホッケー選手権大会に出場する。ファイト!』2019.7.6

2019年7月6日(土)
J2第21節 東京ヴェルディ vs 横浜FC
19:03キックオフ 味の素スタジアム
[入場者数]5,447人 [天候]曇時々雨、弱風、気温22.5℃、湿度73%

東京V 2‐3 横浜FC
前半:1‐2
後半:1‐1
[得点]
1‐0 井上潮音(30分)
1‐1 イバ(40分)
1‐2 レアンドロ・ドミンゲス(43分)
1‐3 田代真一(52分)
2‐3 小池純輝(74分)

●東京Vスターティングメンバー
GK21 上福元直人
DF2   若狭大志(75分 梶川)
DF17 李栄直
DF5   平智広
MF19 小池純輝
MF6   井上潮音
MF20 山本理仁(60分 藤本)
MF22 永田拓也
MF18 端戸仁
MF9   佐藤優平(80分 コイッチ)
FW10 レアンドロ
(ベンチメンバー:GK1柴崎貴広。DF3近藤直也。MF4藤本寛也、23田村直也、33河野広貴、38梶川諒太。FW27ネマニャ・コイッチ)

監督 ギャリー・ジョン・ホワイト

試合データなど(東京ヴェルディ オフィシャルサイト)

■選手サイドの視点による実相

右サイド、井上潮音がレアンドロ・ドミンゲスをドリブルでかわして前に出る。小池純輝が裏に抜けようとするが、そこは使わずに端戸仁にボールを戻す。最終ラインを経由して逆サイドに展開し、ポジションを上げた井上のもとに再びボールが戻ってきたとき、目の前にはスペースが広がっていた。

「フリーでボールを持てていたので、サイドに展開する選択肢もありましたが、シュートを打とうと決めて打った」(井上)

トーンと大きく出したファーストタッチ、抑えの利いたシュートはカルフィン・ヨン・ア・ピンに当たってコースが変化。逆をつかれた南雄太の手の先を抜け、ゴールに転がった。

前節のFC岐阜戦で4年越しのプロ初得点を決めた井上の2試合連続ゴールだ。

ここまで、東京ヴェルディの出来は上々だった。僕の取材ノートは1ページを左右に分割し、自チームと対戦相手を分けて書く。左側だけ書き込みで真っ黒ということは、それだけ記録したいことが多くあったということだ。

井上のゴールを念頭に置いた位置取り。山本理仁の鮮やかなインターセプト、足首のスナップだけで強いパスを出せる特性。佐藤優平がプレスのスイッチを入れ、周囲が連動してマイボールにした攻撃的なディフェンス。イバに対して一歩も退かない守備を見せた李栄直。外回りの攻撃が多く、中央のレアンドロにボールを当てる回数こそ少なかったが、チームは概ねうまく回っていた。一方、横浜FCがゴ-ルに迫ったのは、24分、イバがシュートを放ち、上福元直人が防いだ場面くらいのものである。

戦前の狙いどおりにボールを握り、先制点をきっちりものにできた。これでは不足を見つけるほうが難しい。だが、選手サイドの視点による実相はこれと異なる。

(残り 2100文字/全文: 3431文字)

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