宇都宮徹壱ウェブマガジン

ホームタウンから離れているからできること Jクラブ関東支部サポーター大座談会<3/4>

 先週に続いて、11月30日、東京・高円寺のKITEN!で開催された、「Jクラブ関東支部サポーター大座談会」の模様をお送りすることにしたい。ご出演いただいたのは、マチさん(アルビレックス新潟)、流石さん(FC岐阜)、和泉逸平さん(愛媛FC)、ふくやんさん(アビスパ福岡)、ときやんさん(ロアッソ熊本)の5人である。

 第1部では、それぞれの皆さんに関東支部としての活動内容をプレゼンしていただき、そこから「コミュニティとしての関東支部」というテーマでディスカッションを行った。ハーフタイムを挟んでの第2部では、関東支部のサポーター特有の心情や行動様式について語っていただいた。

 現在住んでいる街のクラブではなく、故郷のクラブを応援し続けているのはなぜか。関東支部であるがゆえの喜びと苦労はどんなものか。そして故郷のクラブがピンチの時、離れた場所から何かできるのか、などなど。引き続き、知られざる関東支部について深掘りしていくことにしたい。(2017年11月30日収録@東京)

<目次>

*「地元だから応援する」というわけではない!

*縁もゆかりもないクラブを応援する人々

*なぜ「関東でやるアウエーの試合の方が楽しい」のか?

*熊本地震直後の日立台でのホームゲーム

*関東に住んでいるサポのが見えている?

*県人会を補完する受け皿としての関東支部

■「地元だから応援する」というわけではない!

――第2部をスタートします。最初のテーマは「近所よりも故郷のクラブを選んだ理由」。

流石 これはどういう意味ですかね?

――たとえば私くらいの世代だと、上京してきたときに「故郷にはJクラブがないので、じゃあ身近なFC東京を応援しよう」となる人が少なくなかったと思うんです。でもここに来ている人たちは、上京しても生活圏の近くにあるクラブではなく、故郷のクラブを応援し続けているわけですよね。その心情を知りたいと思ったんですが、もしかしたら当然すぎる話なのかもしれないですね。

ふくやん 僕は上京したときに江戸川区の葛西に住んでいたんですけど、それで江戸陸の東京23FCを応援しようとは思わなかったんですね。先ほど言いましたが、もともとプロ野球を見ていて、東京に来て何がうれしかったかといえば、こっちではホークスの試合がたくさん見ることができたんですよね。日ハムはまだ東京ドームだったし、千葉ロッテのマリンスタジアムでも、ライオンズの西武ドームでもホークスの試合が見られましたから。

――和泉さんはこちらで暮らし始めた時、愛媛FCの存在は知っていたんですか?

和泉 僕がこっち来た時は、まだ愛媛FCはなかったです。ただ、母校のサッカー部の監督が作ったチームなので、有無を言わさず「手伝え」と。もう、「御意!」ですよね。だから、こっちで天皇杯の試合があったときは、ピッチでドリンク作ったりもしましたね。まあ、僕の場合は特殊ですけど。

――マチさんは新潟に縁もゆかりもないのにという、遠く離れたアルビレックスを応援しているというのが不思議に思っていたんですが、まずはその経緯を教えてもらえますか?

マチ まず、サッカーと出会ったところからお話させていただきますと、私は2001年に味の素スタジアム(当時は東京スタジアム)ができた時に小学生だったんですけど、こけら落としの試合が招待券として回って来まして。カードは東京ダービーの試合で、それが初めて見たJリーグの試合だったんですね。

(残り 3815文字/全文: 5225文字)

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