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「一からクラブを作る」やりがいと難しさ 大倉智代表が語るいわきFCの4年間<2/2>

「一からクラブを作る」やりがいと難しさ 大倉智代表が語るいわきFCの4年間<1/2>


いわきFCは「Jリーグのアンチテーゼ」なのか?

──JFLといえば、そのひとつ上がJ3。つまりJリーグ参入まで、あと一歩のところにいわきFCは到達したことになります。それこそ県リーグ時代は、ある意味「Jリーグは気にしていません」というスタンスでやっていたところもあったし、むしろ「Jリーグのアンチテーゼ」みたいなポジショニングだったように、私には感じられました(笑)。そのJリーグに肉薄した今、考え方の軌道修正みたいなものはあったんでしょうか?

大倉 別に「Jリーグのアンチテーゼ」みたいなのはないですよ(笑)。ちょっと個人的な話になりますけれど、ドームの社長の安田秀一と「スポーツは地域に何をもたらすのか」についてディスカッションしたことの延長線上に、いわきFCがあったんですね。ほとんどゼロから作ったチームが、やがて地域にとってかけがえのない存在になって、地元の人たちが赤いレプリカを着てスタンドを埋め尽くすような光景が見られたらいいなと。

──発想の出発点は、まさにそこだったわけですよね。今回の地域CLでは、かなりそれに近い光景を作り出せていたように感じました。もちろんスタジアムを含めて、まだまだ足りていないところはありますけど「JクラブとなったいわきFC」というものを十分にイメージできるところまで来ていると思います。

大倉 これは誤解のないように、言い方も気をつけないといけないところなんですが。JFLからJ3との距離感というのは、個人的にはそんなに遠くはないと思っています。でもJ3からJ2以上を目指すとなると、一気にハードルが高くなる。そうなる前に、会社としての方針をどうするのかということを、一度きちんと整理する必要があるのかなと思っています。単純に「J2よりもさらに上」のクラブを目指すのか。そうではなく「人を育てる」クラブを目指すという考え方もあるのかなと。

──「人を育てる」というのは、つまり「育成型クラブ」ということでしょうか?

大倉 そう、育成です。たとえば、クラブのスタンスとして「J3では優勝を目指すけれど、J2には行きません」と。その代わり「ここからいい選手が育っていきます」とか「いわきのサッカーに魅力を感じた若い選手が入ってきます」というのもまた、クラブの魅力なのではないかなって思っています。

──なるほど。実現したら、今までにない立ち位置のJクラブになりそうですね。

大倉 それと関連して考えられるのは、JFAアカデミー福島との連携ですね。あくまで個人的なアイデアですけど、たとえばJクラブに入れなかった卒業生の受け皿になるとか、逆にビッグクラブに移籍する橋渡しをするとか。「いわきからは毎年、いい選手が出てくるよね」という評判になれば、十分にマネタイズもできると思うんですよ。J2に上がるためにヒイヒイ言いながらスタジアムを作るよりも、そちらのほうが悪循環に陥らなくていいんじゃないですかね。

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