観衆508人の衝撃(J論)

宇都宮徹壱ウェブマガジン

WEリーグが「新しい日本のキックオフ」となるために 日本の女子サッカーリーグをプロ化する真の理由とは?

 先週の水曜日、JFAがオンラインによる記者発表会を開催。来年秋に開幕する日本初の女子プロサッカーリーグ『WEリーグ』の名称とロゴと共に、ビジョンや大会方式を発表した。もっとも私のように、定期的に女子サッカーをウォッチしていないサッカーファンには、いささか唐突に感じたのではないか。かくいう私自身、女子サッカーのプロ化の話は何となく耳に入っていたものの「このタイミングで?」というのが率直な感想であった。

 こちらの動画を見ると「女の子の夢から、限界をなくせ」「女性の可能性から、限界をなくせ」「#これは新しい日本のキックオフだ」といったキャッチフレーズが並ぶ。プロ化となると、当然ながら「興行として成り立つの?」と誰もが考えるはずだ。しかしWEリーグの場合、そうした興行の魅力よりも、むしろ「新しい女性の生き方」を前面に押し出している。そのことに戸惑うツイートが、私のタイムラインにも並んでいた。

 そんな中、極めてポジティブなツイートをしていたのが、私のサッカー仲間で横浜F・マリノスの古参サポーターでもある石井和裕さんだ。いわく《自分が希望した方向に女子プロサッカーのブランド構築が進んでいるようなのでホッとしている。これから多くの選手と意識の乖離を埋める作業が始まるかな。》。

 優れたサポーター論で知られる石井さんは最近、『2020無観客試合とコアサポーター 5つの視点で探すJリーグの明日: with コロナとJリーグ』という電子書籍を上梓したばかり。一方でこの人は、長年にわたる女子サッカーの熱心なウォッチャーとしても知られている。しかも単なるサポーターのみならず、なでしこリーグの冠スポンサー(2006年~07年)の担当者としても、女子サッカーを陰から支えてきた。

 そんな石井さんだからこそ見えてくる、WEリーグの可能性というものを知りたい。そう考えて、久々に語り合う機会を得たのだが、石井さんの話を聞いているうちに驚くべき事実に気づかされた。実のところWEリーグの理念には、かねてより彼が抱いていた思いが、少なからず反映されていたのである。それは、具体的にどういうことなのか。以下、石井さんの発言を再構成して、お届けすることにしたい。

提供:石井和裕氏

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