宇都宮徹壱ウェブマガジン

あらためて考える「新宿にJクラブを」という意味 関東1部・クリアソン新宿を取材してわかったこと

 先週末のJリーグは幸いにして、J1からJ3すべての試合が、新型コロナウイルスの影響を受けることなく開催された。タイムラインが「勝った」「負けた」で盛り上がる中、まずは予定された全試合が滞りなく行われていることに感謝したい。そう思っていたら、8月8日に行われていた徳島ヴォルティスvs V・ファーレン長崎の試合が、かなりの緊張感をもって開催されていたことを知った。あらためて、陽性反応者2名を出した徳島の対応を整理しておこう。

 JリーグによるPCR検査は7月31日に行われ、8月4日に判定が行われることになっていた。この時の結果は全員が陰性判定であったが、その2日前の8月2日午後にMF藤原志龍が発熱。藤原は3日にもPCR検査を受け、5日に陽性判定が確認された。これを重く見たクラブは、6日にも独自のPCR検査を実施。そこで再検査判定を受けたFW押谷祐樹が、検査機関より試合当日に陽性判定とされた(もちろんチームには帯同していない)。

 8月11日に行われたメディアブリーフィングで、Jリーグの村井満チェアマンは「空白期間」という言葉を繰り返していた。Jリーグが実施するPCR検査は2週間に一度。そこから漏れて陽性反応となる選手が続出し、保健所も濃厚接触者の特定に時間がかかって中止となるケースも2週連続で起きた。こうした「空白期間」を埋めるべく、Jリーグは「独自の濃厚接触疑いの定義」を行うとしている。あくまで保健所の判断を補完するための(再)定義だが、Jリーグとしては重い判断を下すことになりそうだ。

 そんな中、先週の日曜日はJリーグではなく関東リーグ1部を取材。千葉県市原市にある、ゼットエーオリプリスタジアムを久々に訪れた。メディア受付をしていると、このカテゴリーではなかなか顔を合わせることのない同業者とばったり遭遇。聞けば、VONDS市原FCの岡山一成監督を取材しに来たという。なるほど、そっちの方ね。岡山監督については、私自身も大いに期待しているが、今回のお目当てはクリアソン新宿。この1週間、関係者へのインタビューや練習取材を重ねてきたが、このVONDS戦をエンディングに位置づけていた。

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