「栃木フットボールマガジン」鈴木康浩

【レビュー】栃木SC J3第25節カターレ富山戦 前期戦痛恨ドローの雪辱を果たす逆転勝利。残り8試合を勝ち抜くために課題を周到に潰す必要もあり。

2017明治安田生命J3リーグ第25節

2017年10月1日13時キックオフ 富山県総合運動公園陸上競技場
入場者数 4,014人(うち栃木サポーターはメインスタンドに500人ほど)
天候 晴天、弱風
気温 25.4℃
湿度 34%
ピッチ 全面良芝、乾燥

カターレ富山 1-2 栃木SC
(前半1-1、後半0-1)
得点者:22分 佐々木陽次(富山)、25分 杉本真(栃木)、65分 ネイツ・ペチュニク(栃木)

<スターティングメンバー>
GK 15 ジョニー レオーニ
DF 26 夛田 凌輔
DF 19 服部 康平
DF 22 メンデス
DF 7 菅 和範
MF 21 牛之濵 拓
MF 11 岡﨑 建哉
MF 16 仙石 廉
MF 14 西谷 和希
FW 25 ネイツ ペチュニク
FW 10 杉本 真
控え
GK 1 竹重 安希彦
DF 5 尾本 敬
DF 17 福岡 将太
DF 29 川田 拳登
MF 24 和田 達也
FW 8 廣瀬 浩二
FW 20 藤沼 拓夢

55分 杉本→川田
90分 仙石→和田
90分+2分 ネイツ→藤沼

 

このDAZNインタビューの後、ネイツは通訳ブルーノをヘッドロックしながら勝利の喜びを爆発させていた。ブルーノの首がもげそうだった。

序盤は富山ペースだったが…

 

試合が始まってみると、思っている以上に富山が前から来ない。

富山の強みはハイプレス、ショートカウンターのはずだが、いつもとだいぶ違う。一緒に試合を見ていたと富山番も首をかしげている。

試合後、浮氣哲郎監督がこう振り返っている。

 

「チームとしてブロックを引いて、というのは実はなくて、基本的には前から行くつもりでゲームには入っている。しかし栃木のやりたいことを考えて、『そこは賢くやっていこう』と。そこは選手が共有してくれた。ボールを持たれるのは分かっていた部分もあるし、持たせているという感覚でやっていった」

「栃木はいろんなかたちで、動かすだけじゃなく、トップのターゲットに当ててセカンド(を拾って攻める)というのが得意。(こちらは)セカンドをきちんと支配し、向こうが攻めているイコールこちらがカウンターを狙うスペースがあるということなので、そこの部分でチャンスをつかみたいと思った」

 

これもネイツ・ペチュニク効果だろう。岡崎建哉が「相手が前から来なかった。後ろのネイツを気にしてたんだと思う」と話したが、相手の出方さえもまるまる変えてしまうペチュニク効果。富山は持ち味のハイプレスを交わされ、長いボールをネイツ目がけて蹴り込まれ、そこに西谷和希や牛之濱拓ら両サイドハーフが絡む栃木の速い攻撃を警戒していた。

 

試合は序盤から栃木がボールを握る展開に。ボランチ二人を経由してサイドの西谷和希のドリブル突破などに勝機を見い出そうとしていたが、富山の堅いブロックを崩せず。そして富山は明らかにカウンターを狙っていた。その鋭さもあり、嫌な流れではあった。

 

19分、しっかりブロックを築く富山がボールを奪い、カウンター攻撃を炸裂させる。

栃木はCB服部康平が対応して奪ったが、地面を蹴ってしまうようなキックミスで容易に相手CKにしてしまった。

富山はこれをショートコーナー。山形辰徳のクロスになかで合わせられるも事なきを得たが、これが先制ゴールへの伏線であった。

 

がっちり守る富山に対して栃木はボールを握って攻めていたが、気を付けないといけないのは、ここで攻撃をやり切れるかどうかだった。攻撃をやり切れずに変なボールの奪われ方をし、被カウンターからそのまま失点、なんてことがサッカーにはざらにある。今季の栃木も何度も経験してきた。

 

それが起きた。

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