【寄稿コラム】浦和レッズの現状、そして来季以降を見据えて、浦和がなすべきこと−大住良之
2018シーズンの浦和レッズは代行を含めて3人の指揮官がチームを率い、リーグ戦は29試合を消化して6位(10月10日現在)に位置するが優勝は厳しい状況となっている。またYBCルヴァンカップはプレーオフステージで敗退。他にタイトル獲得の可能性を残すのは準々決勝に進出している天皇杯のみとなった。
近年の浦和レッズは観客動員数が伸び悩み、チーム強化の施策も他チームに比べて鈍重な印象がある。多くのサポーターの支えられてきた浦和は今、どんな問題に直面しているのか。そこで今回は、Jリーグ創設以来、長きに渡り浦和レッズを取材してきたサッカージャーナリストの大住良之氏に浦和レッズの現状と将来について寄稿していただいた。
ミシャ時代への回帰
Jリーグ第27節のヴィッセル神戸戦(4-0)、28節の柏レイソル戦(3-2)を見ながら、ちょっとした「既視感」にとらわれた。
「ミシャ時代に戻ったみたいだな…」
そう感じさせたのは、神戸戦の2点目、そして柏戦の2点目、3点目。いずれも興梠慎三の得点シーンだった。ストライカーとしての興梠の類いまれな才能がフルに発揮されて生まれた得点だったが、アシストした柏木陽介や武藤雄樹とのあうんの呼吸、動き出しとパスの芸術的なまでに美しいシンクロナイズが「ミシャのサッカー」を思わせたのだ。
もちろん、ミシャ時代には、アシスト者と得点者にとどまらず、鮮やかなコンビネーションでの突破から意表をつくスペースにボールが出て得点が生まれるとい真の芸術があった。その複雑さには及ぶべくもないが、一瞬、「ミシャ時代か」と錯覚させるシーンが、現在のレッズにはときどきあるのだ。
考えてみれば当たり前かもしれない。
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