杜の都で苦戦も、エースの神通力で相手を撃破【島崎英純】2020Jリーグ第3節・ベガルタ仙台戦レビュー

仙台は前節から7人の選手入れ替え

 今季のJリーグは新型コロナウイルス流行による中断を挟んだ影響で、第2節以降のスケジュールが過密になった。今後は断続的に週2回のゲームが続くこととなり、Jリーグ各クラブは適切なチームコーディネイトを施してシーズンを戦い抜かねばならない。一方で、Jリーグは今季の特例レギュレーションとして、J2からJ1への昇格、J3からJ2への昇格条件は維持しつつ、J1からJ2、J2からJ3への降格は行わないことを決めた。この特例レギュレーションは各チームに少なからず影響を与えるだろう。具体的には、毎試合勝利を希求して戦うのは当然として、それでも過密日程や将来を見据えたチーム強化を名目に、普段とは異なる采配や布陣が組まれる可能性がある。

 今節の浦和レッズはアウェーのユアテックスタジアム仙台でベガルタ仙台と対戦した。大槻毅監督は定型の4-2-3-1を用いつつ、その人選を十分に考慮して以下の先発メンバーをピッチへ送り出した。

 GKはチームキャプテンの西川周作、4バックは右から橋岡大樹、トーマス・デン、岩波拓也、山中亮輔と前節の横浜F・マリノス戦と同じディフェンスライン。そしてセントラルミッドフィルダーは柴戸海と柏木陽介がペアを組み、右MFにファブリシオ、左MFに汰木康也、そして2トップは杉本健勇とレオナルドのユニットだった。

 前節からの入れ替えは青木拓矢に代わって柏木、長澤和輝に代わってファブリシオ、興梠慎三に代わってレオナルドの計3人。このうち、青木はベンチメンバーにも入らず、他にも前節途中出場した武藤雄樹がチームに帯同せず、ベンチにはGK福島春樹、DFマウリシオ・アントニオ、DF宇賀神友弥、MF関根貴大、MF長澤、FWマルティノス、FW興梠が控えた。

 一方、前節の湘南ベルマーレ戦を1-0で制した仙台の木山隆之監督は7人ものメンバーを代えて浦和戦に臨んだ。チームの主力と目されるCB平岡康裕、SB蜂須賀孝治、MF松下佳貴らはベンチからも外れ、3トップのファーストチョイスであるはずの西村拓真、ジャーメイン良、長沢駿はベンチスタート。仙台は明確なターンオーバー、しかも前節のファーストチームとおぼしき陣容から斬新に手を加えた。

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