松沢呉一のビバノン・ライフ

「アナルは負けず嫌い」にきた抗議-ぐろぐろ秘話- (松沢呉一) -2,917文字-

盛岡のさわや書店の英断で甦った『ぐろぐろ』

 

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あけましておめでとうございます。

これを読んでいる中学生、高校生の皆さんは、お年玉で有料登録をするといいと思います。親に何か言われたら、「ここに『子どもが読んでも面白い』と書いてあるよ」と言いましょう。怒られたらごめんよ。でも、小学生はまだ早いかな。フィストファックとかって書いてあっても、意味がわかりませんもんね。

さて、新年一発目は、「ろくでなし子再逮捕」シリーズにつながる内容ですが、私個人の話なので、シリーズから外しておきます。いまさら文庫が売れることを狙ったわけでもないのですけど、宣伝みたいなもんだし、このあとスタートする「ビバノン循環湯」の新シリーズの告知でもあるので、今回は全文無料公開ってことで。

昨年3月、盛岡に行きました。品切れが続き、もはや死んでいるも同然だった拙著ぐろぐろ が増刷されたことのプロモーションというか、記念というか。なぜ盛岡なのかについては以下の動画をご覧ください。

 

 

盛岡にさわや書店という、地元では知らない人のいない書店があります。書店業界、出版業界では全国的に注目される存在です。ここが何を考えてか、「700冊買い取るので、『ぐろぐろ』を増刷して欲しい」と筑摩書房と異例の交渉をし、再び書店に並ぶことに。たしか1200部の増刷で、筑摩書房側からも数軒の書店に呼びかけ、この段階ではわずか数店の書店のみが扱い、Amazonでも購入できませんでした。

ぐろぐろ (ちくま文庫)ここまでやってくれて、売れ残ると寝覚めが悪いですから、ちょっとでも売れるように深夜バスに乗って盛岡に行ったわけです。久々の深夜バスで腰を痛めました。

私の知人らがトークイベントを組んでくれて、その時に全国の反原発デモを撮り続けている秋山理央が動画を撮っていてくれたのですが、そのことをすっかり忘れてました。最近やっと編集する暇ができたと連絡があって、以降、テーマ別にアップされていく予定。

どえらいオモロいで、ワシの話。何を話したか、まったく記憶にないですが、その内容に合わせて、古い原稿を出していこうと思います。秋山理央との夢のカップリング。

ワシの話がどえらいオモロいもんですから、『ぐろぐろ』は全書店で無事完売。そのあと筑摩書房は通常の増刷をして、これも完売し、さらに増刷。現在4刷のはず。初刷を売り切ったまま死亡寸前だった文庫が甦ったのであります。

さわや書店と私は友だちでもなんでもなくて、なんでこんなことが起きたのか今でもよくわからんです。なんでこんなことが起きたのかわからん以上、他の本でも次々とこんなことが起きるかもしれないと待っているのですが、その後は起きてません。

 

 

「子どもが見たらどうするのか」という抗議の無意味さ

 

vivanon_sentenceそもそもこの『ぐろぐろ』はおかしな本でありまして、初出はメタル雑誌「BURRN!」です。何を書いてもいいというので、連載を引き受けまして、タイトルを「アナルは負けず嫌い」にしました。SM業界の格言みたいなもんです。私が作ったものなので、流通はしてないですが。

アナルマニアは負けず嫌いが多く、やかては腕が入るわ、足が入るわ、頭が入るわ。「人間、その気になればなんでもできる」という意味合いを込めてのタイトルで、それを連載一回目に説明をしたところ、しょっぱなから抗議が来ました。

 

 

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