松沢呉一のビバノン・ライフ

なぜ日本でのプッシー・ライオット支援イベントは失敗したのか-共振としがらみ(松沢呉一)-3,557文字-

「プッシー・ライオットの新曲『I Can’t Breathe』から読み取るべきこと」の続きであるとともに、「『新しいしいしがらみ』をどう創り出すか-六角橋商店街で考える」の続きでもあります。

 

 

 

Chim↑Pomが語る「当事者性」の意味

 

vivanon_sentenceプッシー・ライオットが逮捕、投獄された時に、世界各国で「I AM PUSSY RIOT」「WE ARE PUSSY RIOT」というフレーズが掲げられていました。

 

 

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「FREE PUSSY RIOT TOKYO」に出演していたChim↑Pomの卯城竜太氏は壇上でこんなことを言ってました。

 

 

「日本の問題は当事者性が希薄なことです。PUSSY RIOTが逮捕されると、こうやって世界中のアーティストやミュージシャンが立ち上がって支援をやる。でも、僕らが『明日への神話』で捕まった時にはパーティもなかったし、弁護士費用は自腹でした」

 

 

殺されても「自業自得」「自己責任」と言われてしまう国ですから。

 

 

 

 

私もこの行動を支持し、そのことを表明していましたが、それ以上は何もしておらず。申し訳ない。

プッシー・ライオットの場合は、大々的に支援が展開され、その動きがロシア政府に対する圧力にもなっていったわけですが、日本では支援イベントもコケました。

なぜなのか。これを私はずっと考えています。以下ははっきり自信のある話ではなく、漠然とここまで考えてきたことです。

 

 

パンクだから? ロシア語だから? 下品だから?

 

vivanon_sentenceあのイベントが失敗した理由はいくつか見いだせます。まずはもっと安くできる場所を探さなかったこと。

あの空間は出し物を観たい人は観る、疲れた人はバーで酒を飲む、買い物をしたい人は物販のコーナーに行くという具合で、使いやすくはあっても、場所代を考えると、ロフトプラスワンでもよかったはず。ロフトプラスワンで100人以上入れば確実に数万円の利益が出ます。さらにカンパを集めれば10万円以上集まったはず。

あの2倍か3倍は集まることを想定していたのでしょうけど、この日本でそれは無理ってもんです。主催はFacebookにページを作っていたのですが、すべて英語だったため、十分に情報が浸透しなかったのだと思います。

といったように、イベントのやり方にミスがあったのは事実ですが、うまくやっていたところで人も金も集まらなかっただろうと想像できます。

 

 

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