アンジェラ・デイヴィス、マドンナ、そして無名の女たち—ウイメンズ・マーチ雑感 1-(松沢呉一) -2,149文字-
マドンナの「Fuck You!」に大歓声
1月21日のウイメンズ・マーチ(※)は、朝までずーっと中継を見てしまいました。寝るわけにはいかなかったものですから。
BGMならいいんだと思いますが、その場での演奏や歌は著作権にひっかかると見えて、生中継では音楽の演奏は音が消されていたため、YouTubeに出し直されたものをそのあともずっと観てます。
まだまだ消化しきれていないので、当面、この日の出来事で頭がいっぱいになりそうです。
マドンナもリアルタイムに観てましたが、彼女が登場した時はもっとも歓声が多く、Fuck You!にも大歓声。私も大喜び。
https://www.youtube.com/watch?v=vogJh9giEDU
スピーチの日本語訳はこちら。この日は本当に革命の初日だったのかもしれない。
マドンナに限らず、登壇者たちはいずれも言葉が強い。そして、時に汚い。さすがマンコに歯が生えている女たちだと感心してました。
対トランプというだけではなく、Fuckを平然と口にするフェミニストたちがここから確実に増えていくであろうことに大いに期待しています。共感できるフェミニストたちの時代。糞フェミが支配している日本は関係ないとして。
※Women’s March on Washingtonのはずだったのが、各地に飛び火して、米国内だけでも300カ所以上でマーチが行われたため、ワシントンはもういらないか。あの時行われた行動の総称としてWomen’s Marchでいいでしょう。海外でもしばしばそうなっています。日本語にする場合、ワシントンをとって「女性大行進」とすると、「ワシントン大行進」とのつながりがわからなくなります。わからなくなってもいいんですけど、だったらそのまま「ウイメンズ・マーチ」でいいでしよう。womenは「ウィーメン」か「ウィメン」か「ウイメン」かという表記の問題があって、英語発音に近いのは「ウイメン」かと思います。
アンジェラ・デイヴィス登場
ネットではいくつもの中継が見られたのですが、ずっと私はステージの中継を観てました。
何度も書いているように、私はヒアリング能力が低いので、スピーチの内容は大雑把にしかわからなかったんですけど、「セックスワークについて触れているな」とか「スカートをはいているのは皆無だな」とか、いろんなことを気にして観てました。
マドンナは別格として、他にも注目すべき人たちがいたわけですが、とりわけ私が「おっ」と思ったのは、アンジェラ・デイヴィスです。
以下の動画はマドンナとアンジェラ・デイヴィスをカップリング。冒頭の若い女子は、ずっとステージにいたので、スタッフかとも思いますが、彼女がまたえれえカッコよくて、若き日のアンジェラ・デイヴィスと重なります。髪型が全然違うけど。
アンジェラ・デイヴィスは、私らより上の世代にはよく知られているかと思いますが、黒人解放運動の活動家としてブラックパンサーに関与、そのため、1970年に、殺人と誘拐容疑でFBIに指名手配されます。逃亡の末、逮捕され、裁判で無罪を勝ち取っています。
(残り 1095文字/全文: 2468文字)
この記事の続きは会員限定です。入会をご検討の方は「ウェブマガジンのご案内」をクリックして内容をご確認ください。
ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。
会員の方は、ログインしてください。
外部サービスアカウントでログイン
Twitterログイン機能終了のお知らせ
Facebookログイン機能終了のお知らせ