「ハメる」を推奨する—セックスと言葉 2-[ビバノン循環湯 289] (松沢呉一)
「セックスを「寝る」と表現することのひっかかり—セックスと言葉 1」の続きです。これでおしまい。
「おまんこする」「おめこする」
「おまんこする」「おめこする」といったように、女性器に「する」をつけて性行為を意味する動詞とするのは、さまざまな地域で見られる。
これを一部の人たちは、女性蔑視と言ったりするが、何も考えずに発言するのはやめた方がいい。
例えば「ノートする」「お茶する」「中華する」といったように、「ノートに筆記する」「お茶を飲む(転じて休憩する)」「中華料理を食べる」というべきところで、対象や道具に「する」をつけて表すのはよくあることで、ここに「ノート」や「お茶」「中華料理」を蔑視する意味合いはまったく含まれていない。
同様に「マンコにチンコを挿入する」行為を「おまんこする」「おめこする」と略すのはおかしなことではあるまい。
この言葉が男からの行為しか意味していないことが問題だというのなら、女たちは「ちんこをくわえ込む」という意味で「ちんこする」「ちんぽする」「まらする」などと言えばいいだけである。男女の不均衡は女たちがこれを使うことで是正されるべきであり、とくにおかしくもない用法を潰すことで不均衡を是正すべきではない。
※Kitagawa Utamaro「A Pair of Lovers」 乳への愛撫をしている浮世絵は珍しいかも。
今回も春画を使用しているため、以下は中学生以上の方のみお進みください。
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