松沢呉一のビバノン・ライフ

アートにおける脇毛表現史[5]-毛から世界を見る 54- (松沢呉一) -2,556文字-

アートにおける脇毛表現史[4]-毛から世界を見る 53」の続きです。

 

 

 

肘の露出

 

vivanon_sentence国によって、階級によって、季節によって、シチュエーションによって差があるので、確定的なことは言えないですけど、上流に属する人たちのフォーマルな格好に限定すれば、17世紀まで、袖は肘までを隠していたように思えます。袖口が肘を晒していたとしても、袖の布地が大きく、かつ袖口が絞られていため、肘が見えることはほとんどなかったはず。

18世紀に入ると肘までが見える作品が増えます。

 

以下は1788年のフランスの作品。

 

Jacques Louis David「Antoine Laurent Lavoisier and His Wife (Marie Anne Pierrette Paulze)」

 

フォーマルな場面ではないので、普段着かもしれず、腕は肘あたりまで露出。二の腕に段差があるので、たくしあげているのかもしれない。

 

 

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