松沢呉一のビバノン・ライフ

人口比でもっともノーベル賞を受賞している国は?—国別順位を人口で計算しなおす[下]-(松沢呉一) -5,314文字-

人口が多い国がオリンピックでメダルをとるのは当たり前—国別順位を人口で計算しなおす[上]」の続きです。

 

 

 

人口を計算に入れたノーベル賞の国別順位を出してみました

 

vivanon_sentence以下は英語版Wikipedia「List of Nobel laureates by country」を参照にしています。日本語版もあるのですが、2015年の受賞までしか出ていないため、最新版である英語版を使用しました。このリストでは団体は対象になっておりません。

独立国とは認められていない国名も入っています。チベットの受賞者はダライラマなので、亡命政府のことです。中国にカウントするのは許し難いでしょう。かといってインドやネパールとも言い難い。ここはチベットとするのが妥当だわね。しかし、正確な人口は把握できていないらしくて、表の人口欄は?にしてあります。

香港も国扱いです。返還後の受賞ですから、中国政府は「わしらのもんじゃ」と主張するのでしょうけど、別文化圏です。台湾も同様。

また、ある個人をどこにカウントするのかも難しいケースがあります。本人の自己申告にすると、「国籍は便宜上のもので、私はどこの国にも所属しない」と主張する人たちが多数出そうです。カズオ・イシグロが日本になっているのは納得しにくく、このリストは「生まれた土地で決定」という基準なのかも。この基準は判断が容易な利点がありつつ、「生まれた国がすでに存在しない」という事態は解決できず、そもそも生まれただけの国にどんだけ意味があるのかって話ですから、どの基準でもスッキリしない、つまり国単位で比較すること自体にそもそも無理があるってことなのです。

ひとつひとつ検討するのは至難なので、数々の疑問があっても、このリストに従いました。ぶっちゃけ、そんなに興味のない作業なので、手間をかけたくないのです。表を作るだけで十分手間がかかりますし。

そもそもノーベル賞は国に与えられるのではなく、個人や団体に与えられるものですから、ノーベル賞の委員会は国別順位なんてもんは発表しておらず、各国、各団体がそれぞれの基準でカウントしているに過ぎず、決定的な順位ってもんが存在しないようです。

日本では文科省や文化庁がその決定をしており、カズオ・イシグロは国籍の点でも、その業績がなされた場所の点でも日本人の受賞にはカウントしないということです。

人口はWikipediaの「国の人口順リスト」を使用しました。このリストのガーナの人口が間違っていて、英語版から移す際に間違えたのでしょう。正しくは以下の表の通り。英語版が合っているのかどうかまでは未確認。Wikipediaも直せばいいのですが、私は計算で忙しいので、誰かやっておいて。

 

 

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