クロアチアの全裸リゾートとフランスの全裸島—そろそろ刑法174条(公然わいせつ)と175条(わいせつ物頒布)を見直しませんか?[横道編 9]-(松沢呉一)
「性表現の規制は学術の発展も阻害している—そろそろ刑法174条(公然わいせつ)と175条(わいせつ物頒布)を見直しませんか?[横道編 8]」の続きです。
ナチュリスト・キャンプの宣伝動画
全裸動画を大量に見て疲れたでしょうから、この辺でリゾートビーチの動画でリラックスしていただきましょう。
https://www.youtube.com/watch?v=kfqHfDvRXgI
これも全裸か。
この動画は年齢制限がありません。原則年齢制限は投稿者が設定するのですが、年齢制限がないことでクレームがつくと年齢制限をつける。これにクレームをつけるのはさすがにいないし、YouTubeの運営も無視するのではなかろうか。
富裕層のライフスタイル
これはクロアチアのヴァラルタ・ナチュリスト・キャンプ(Valalta Naturist Camp)ってところの動画です。昔の「ヌーディスト村」ですね。1960年代からあるんですってよ。
日本では「ナチュリズム」より「ヌーディズム」という言葉の方がまだしも馴染みがありましょう。
1970年代には日本でも盛んに取り上げられ、それ以降は取り上げられることが滅多になくなって、あたかも存在しないがごとき扱いになってますが、あちらでは今なおナチュリズムは生き続けています。
日本では、紹介された時代とリンクして、どっちかと言えばヒッピー、カウンターカルチャーといったイメージが強いかもしれない。
実際にそっち方面の流れもあるわけですが、一方でこの動画でもわかるように、ヴァラルタ・ナチュリスト・キャンプは富裕層に属する人たちが長期の休みをすごす場所として設計されていて、けっこうな予算が必要です。あるいはひと財産を作って引退したような老夫婦たちがここに住んでいたりするかもしれない。
ここでのナチュリズムは、余裕のある知的階層の娯楽、あるいはライフスタイルです。年齢層も高そうです。
※Valalta Naturist Campのサイトには全裸がひとつも出ていないみたいだし、それについての説明も見当たりません。エロではないので合意は不要ってことなのでしょうし、ナチュリストとあるので、誰でもわかるだろってことでもあるのでしょう。こういう文化の定着ぶりは日本では想像できない。日本人だとナチュリズム、ナチュリストという言葉さえ知らない人が少なくなくて、ナチュラリズム、ナチュラリストと誤解して、「自然に親しむことができるリゾート地ね」と誤解してここに行って、「海外ではあり得ない」と騒ぎそう。無知を武器に他人を攻撃する人たちは怖いです。
フランスの全裸島リル・デュ・ルヴァン
ナチュリズムの島もあります。フランスのリル・デュ・ルヴァンがそうです。
どういうわけか、原文のフランス語表示だと不具合が生じてしまって、これは自動翻訳の日本語です。レバント島とありますが、日本語ではルヴァン島とするのが一般的なようです。
このサイトはイエール地域の公的な観光案内です。フランス最南端に位置するイエールは4つの島からなり、そのひとつがルヴァン島です。8キロ×2キロの島の9割はフランス軍の基地で、残りは私有地。島の自治組織みたいな団体の所有になっているよう。
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