松沢呉一のビバノン・ライフ

お嬢様がアバズレる理由をお嬢様ヤリマンが解説—「東京ヤリマン五輪!」より[上]-(松沢呉一)

チンコの好き嫌いを語る女たちと語れない女たち—女の顔フェチ[上]」の前振りから続いてます。

 

 

学習院女子の生徒による「おまえら」

 

vivanon_sentence今週月曜日、新潮社で『マゾヒストたち』の著者校正を終了しました。念校はお任せでいいや。これで私の作業は終了です。

今回は、事実関係のチェックをするような箇所はあまりなかったので、『闇の女たち』のような「さすが新潮社の校閲」と唸るようなところもなかったのですが、今回の校閲担当は「間違ってます」というのでなく、「この表現はこのままでいいんですか」という点を細かく指摘してくれる人で、私の文章の癖に気づきました。

私は「この店はもうないようだ。」の「だ」を略して「この店はもうないよう。」と書く癖があります。「〜そうだ。」も「〜そう。」としがちで、「〜かもしれない。」を「〜かも。」で切りがち。

これは私の文体ですから、間違っているわけではないのですが、キチッとした文章ではなく、口語的な印象になるかもしれず、少し数を減らしました。

あとは言葉の繰り返しが私は多いよう(また「です」を略してます)。意図的にやっている場合もあるのですが、意図したものかそうではないものかがわかりにくいかも(「しれません」を略してます)。これも減らしました。

校正の帰り、「自分へのご褒美」としてホタテ貝柱入り肉まんを買いました。安いご褒美ですが、ホタテが好きなものですから、「これは珍しい」と思いまして。

ホタテ貝柱入り肉まんを食べながら歩いていたら、学校を終えた学習院女子の生徒たちがいました。学習院女子は制服でわかります。三本線のセーラー服です。後ろ姿の印象では高校一年生か二年生の三人組です。

彼女らを追い抜いて、その前を歩いている時に、後ろからわずかに会話が聞こえてきて、前後は聞き取れなかったのですが、一人の子が他の子たちに「おまえら」って言ってました。学校でも家庭でも決して使えない言葉を放課後のわずかな時間に使うわけです。

私のマゾ心にお嬢様の「おまえら」がホタテ貝柱とともにジンワリと浸みました。

※検索すると、ホタテ貝柱入り肉まん、あるいはホタテまんはけっこうあります。ここに出したのは楽天より。私が買ったのはこんな立派な貝柱は入ってませんでしたけど、これはうまそう。本が増刷されたら、自分へのご褒美はこれです。

 

 

保証があるからアバズレる

 

vivanon_sentence学習院女子は戦前の学習院女学部であり、学習院女学部の前身である華族女学校の時代から、ハイカラ女学生、お転婆女学生の拠点として知られていた伝統は今も生きてます。

よりによって、お嬢様学校のトップであった華族女学校が、世間から白い目で見られるアバズレたちを生み出していたのは皮肉ですが、舶来の香水やアクセサリーを買うことができる財力があったからこそアバズレられたのです。

これについては、9月26日に阿佐ヶ谷ロフトであった「東京ヤリマン五輪!」に出ていた学習院女子中退の有奈めぐみさんが的確な解説をしてくれました。財力だけではないのです。

「学習院の生徒たちは小さい頃から親が決めた許婚(いいなずけ)がいるんですよ。結婚相手が決まっているので、結婚前にちょっと遊んでおくんです」

 

 

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