プーチンは無能な諜報員に踊らされた?—粛清している場合ではなく、すぐさま攻撃をやめて引退すべし-(松沢呉一)
「難民はただ受け入れればいいってもんじゃなく、そのあとが大事かつ難しい—時間をかけて整えていくしかない」の続きです。
ロシア政府内部で粛清が進む?
深夜のアルバイトに出かける際に「行きたくねえ」と感じることはあんまりないのですが、時々はあります。昨日がそうでした。
出かける直前に観ていたのは以下の報道です。
ウクライナのメリトポリの市長が拉致されて、新市長はロシアの傀儡ではないかという話はロシアらしいチープさに満ちていますが、さらに気になったのは最後の話。
ロシアの独立系メディア「メデューザ」が報じたところによると、政府内で粛清が始まったという内容。ロシア連邦保安庁(FSB)が侵攻前にプーチンに提出していたウクライナ情報は間違いだらけで、その間違った情報でウクライナを甘く見たのか今のザマであり、その責任を取らせたということです。
ウクライナはネオナチに支配されていることやウクライナ軍は弱く、抵抗しないことなども彼らの情報であり、プーチンはそれを本気にした可能性がありそうです。リテラシーがなさすぎ。
粛清というと、処刑されることをしばしば指しますが、殺されてはおらず、保安庁の幹部らは自宅軟禁されているらしい。これから処刑されるのかもしれないけれど。
上層部が喜ぶ情報だけを提出し、その結果、間違った判断をした場合は責任をとらされるのはロシアのような国家、中国のような国家ではよくあることです。あるいは日本の組織でもありましょう。
この報道が気になって、もっと調べたいと思ったところで時間が来てしまって、後ろ髪を引かれながらバイトに出かけました。
情報のほとんどすべてがアンドレイ・ソルダトフ発
浴槽をたわしでこすりながらも気になって、帰ったらすぐに調べようと思っていたのですが、眠かったので、早起きをして調べてみました。
これは共同通信の配信によるもので、昨日、共同通信配信として一気に日本のメディアも扱っています。
しかし、3月9日から11日にかけてロシアでもそれ以外でも報じられていて、日本は2日から4日遅れました。私も人が死ぬところばかり観ていて、国外メディアでこの話はチェックしてませんでした。
遅れた上に、共同通信の配信記事はそんなに詳しくはなくて、以下補足しておきます。
「諜報機関の取材を長年続けているロシア人記者」はアンドレイ・ソルダトフという人物で、彼はジャーナリストであり、編集者。
ロシアの諜報機関を長らくテーマにしていて、それについての著書もあり、この件で西側メディアにもしばしば登場しています。そのため、当局からは当然マークされています。
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