松沢呉一のビバノン・ライフ

ウクライナ軍のロシア軍捕虜殺害映像か?—ロシア軍の民間人虐殺に匹敵はしないけれども、事実であればウクライナ軍の戦争犯罪-(松沢呉一)

Airbnbの対策はプーチンに抵抗するロシア人をも敵視する結果にしかならない—経済制裁に関する疑問[2]」の続きです。

 

 

ドイツ諜報機関が傍受したブチャ虐殺の証拠になる通信

 

vivanon_sentenceまた「メデューザ」で知った話。

ドイツの諜報機関が傍受したロシア兵の通信では、ブチャの虐殺についての会話が交わされていて、ブチャ以外の場所でも虐殺が行われていることをも示唆しているとのことです。諜報機関はこのことをひとつの証拠として、虐殺は一部の部隊が偶発的にやったものでなく、ロシア軍が計画的、組織的にやっているものだと結論づけています。

国際法違反の戦争犯罪であるのは明らかなのに、なぜその証拠を残すようなことをするのか不思議ですが、住民に対する力の誇示と脅しってことらしい。「従わないとああなるぞ」と。公開処刑をやったとも言われてますが、それも同じ。

殺人犯が犯行現場に名刺を残していくようなことをしておいて、あまりに国際的な反発が強いことにビビって、なお支配が続いている場所では慌てて証拠隠滅を始めたという報道もあります。「フェイクだ」と言っている一方で、証拠隠滅。そんなもんに同調するのは同じ嘘つき国家の中国くらいだべ。小さい国ではシリアなど、いくつかありますが。

もうひとつ不思議なのは、ドイツまでが通信を傍受していることです。戦争の当事国であるウクライナが出すより、ドイツが出した方が信憑性が上がるので、ウクライナがネタを回しているのかもしれないけど。

さらに不思議なのはロシア軍です。こんだけロシアの通信を傍受するのがブームなんだから、「大事な話は携帯電話でやるのはやめよう」って普通は考えるだろ。報道が規制されているので、ロシアでは報じられていないのか。

これは独「シュピーゲル」誌のスクープらしいのですが、私が見た段階で肝心のシュピーゲルのサイトには出ておらず、おそらく印刷した雑誌に出ていて、サイトに出すのを少し遅らせていて、そうこうするうち、他のメディアが報じている状態だと推測できます。

※2022年4月7日付「NACHRICHTEN」 シュピーゲルのスクープであることを明示して、その内容を報じています。

 

 

ウクライナ軍(?)によるロシア軍捕虜(?)の殺害

 

vivanon_sentence迂闊にも気づいていなかったのですが、ロシアによる虐殺の一方で、(事実であれば)ウクライナによるロシア兵に対する国際法違反の証拠である動画がいくつか出回ってます。

 

 

 

3月28日の日付になってますが、これが最初の投降ではなく、YouTubeでは27日が最初のようです。

どういう状況か、最後まで観るとわかります。手を縛られたロシア兵の捕虜が車に乗せられて運ばれてきて、無抵抗のまま銃殺されていきます。まだ生きていますが、地面に横たわっているのはすでに撃たれた捕虜だろうことが推測できます。

仮にこれらのロシア兵たちがブチャの虐殺を実行したのだとしても、この扱いはジュネーブ条約違反です。侵略された側だからと言って、これをやっていいとはならない。ロシアがこれを批判する資格はないとして。

ざっと見て、私は判断がつかなかったのですが、ロシアによるフェイク説、ウクライナ軍による捕虜殺害を証拠づける本物説のどちらもあって、3月31日付「FRANCE 24 Observers」などのメディアが検証をしています。

 

 

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