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【コラム】2013年展望、数字による意識づけを including 石川直宏、権田修一(2013/01/04)

2012シーズンの成績を振り返っているとき、権田修一が「最終節の2失点目は余計だった」と言い出した。味スタでのJ1第34節、対ベガルタ仙台戦。6-1で迎えたアディショナルタイム、武藤雄樹に決められたあのゴールのことだ。

「どこへ言ってもその話はされないじゃないですか。6点獲ってFC東京らしいすばらしい攻撃サッカーができましたね、で終わる。でもその1点にこだわらないと、いつまで経ってもこれ(現状)がつづいてしまうと思う。ここぞというところでその1点が重くのしかかるときが来ると思うんです。
あそこであの1点にこだわらないといけない。1点ごとのディテールにこだわっていったら、すぐ数字(勝点)は増えると思うんです。
ちいさなこだわりかもしれないですけど、そのちいさなことにこだわることが結局は最後に大きなことになるわけじゃないですか」

この指摘はきわめて重要だ。
マザーテレサの名言「思考に気をつけなさい、それはいつか言葉になるから」は、思考→言葉→行動→習慣→性格と、内面が一度アウトプットされると次の階層に影響して最後はその人の運命を決定づけてしまう、だから起点となる考え方に気をつけよという戒めだが、始まりは最小単位から──は、何にでも当てはまる。
あまりよくない成績の根源を辿ればワンプレーの局面に行き着き、さらに遡ろうと思えば、そのプレーを決定づけたふだんの練習、取り組む姿勢、意識、サッカー以前の考え方にまで遡ることができる。
そこまでいくとキリがないが、結果を反省するならワンプレーの単位にまで遡り、こだわらなければ、という権田の指摘はもっともだ。

もうひとつ、よかったことや悪かったことを、可能な限り可視化することも、改善を心がけるならば欠かせない作業になる。
曖昧なまま総括を終えるのではなく、それを来季に目標とすべき総勝点や勝敗ペースにまで落としこむことで、指針が見えてくるからだ。
さきほどの名言の理屈で言うなら、思考を言語化することが重要だ。そして言葉や数字で具体化した目標を達成すべく思考を整える。思考が正しく改善されれば、正しい数字に反映される。それが蓄積して好成績という結果につながる。

そう、だから、たまには数字を弄んだほうがいい。
2012年FC東京の成績は、リーグ戦で14勝14敗6分けの勝点48。得点47、失点44で得失点差は+3だった。この数字を他クラブのそれと比較することで、課題が見えてくる。

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