【有料記事/新人戦決勝L第3節第2報】苦しい戦いのなかにも安定感を発揮した坂口祥尉「天然芝(J1)につながるようにがんばっていきたい」「(U-18日本)代表にかかわっていきたい」(2017/02/06)
東京武蔵野シティフットボールクラブU-18に逆転で勝った新人戦決勝リーグ第3節の坂口祥尉を語るには、まず彼が新しいチームで置かれている立場について考えなくてはならないだろう。
昨年は二年生として三年生についていく後輩であったが、ことしはチームを牽引する新三年生。昨年は2種登録選手となり、2試合180分間、J3でプレーした経験を持つ。その経験値をチームに還元していかなくてはならない。
また、昨年はセンターバックでのプレーが多かったが、この度の新人戦では左サイドバックを担っている。
右サイドはサイドバックの岡庭愁人がキャプテンとなったこともあり、大胆な攻め上がりよりはプレーメーカー的な仕事を増やし、サイドハーフを務める吹野竜司が突破を試みる割合が多い。そこへ行くと左サイドはサイドバックの坂口も攻め上がる。全体として、左よりも右からの仕掛けに偏っていて、左の回数が少なめなので、攻撃参加の多い少ないを論じるには母数が不十分かもしれないが、印象としては坂口が力強い攻め上がりをしている。
この試合でも、最初は右サイドから攻めていた。しかし吹野の単騎突撃は実らず、岡庭のパスも通らず相手に渡ってしまったりと、リズムをつくれない。その後、ファーストハーフの途中から坂口のいる左サイドに起点が移ると、しだいにFC東京U-18が活性化していった。
堅実な守備、大胆な攻め上がり、クロスだけでなく足許のシュートもあり、上背はなくとも臆せず攻守に於いて空中戦で勝とうとする。そして落ち着きがあり、波が少ない。闘志がにじみ出るタイプだ。そんな特長が、どの試合でもわかりやすく発現される。
一試合を通して信頼できる坂口は、この試合でも安定していた。坂口がふたり、三人に分身できるのなら複数のポジションに置いてまずい立ち上がりを脱していくこともできたかもしれないが、ひとりのサイドバックとしてできる以上のことは、残念ながらできていないようだった。
「スターティングメンバーがちがうなかで立ち上がりに失点して悪い流れになったんですけど、そういったなかで昨年から出ている自分とかがもっと引っ張っていかないといけないかな、と思いました。途中から出てきたメンバーが気持ちのこもったプレーで流れを変えてくれて、結果的に逆転までつなげたことはよかったと思います」
滅多に大きな声を出さない佐藤一樹監督から、ふがいなかった最初の時間帯に落ちたカミナリについては「ごもっともだなと思いました」と、すなおに認めていた。
「それでスイッチも……入ればよかったんですけど、うまく入れなかったな、と。特に前半のうちは、
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