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【有料記事/クラブユース選手権(U-18)準決勝第2報】FC東京U-18、アクシデントにも動じず“多摩川ユースクラシコ”を制し、決勝進出/コメント◆佐藤一樹監督(2017/08/01)

昨日7月31日に開催された第41回 日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会準決勝でFC東京U-18は川崎フロンターレU-18に0-2で勝ち、決勝進出を決めた。

川崎フロンターレU-18の今野章監督は脱帽という感じだった。
「FC東京さんに個の強さもチームとしての強さもあるのはわかっていたうえで、がまんできた部分もありましたが、連続失点して折れた部分もあった。東京さんの強さをまざまざと感じさせられたゲームだったと思います。向こうのボランチをいなしきれなかった」

中央でボランチ対ボランチとなる部分の駆け引きでは、品田愛斗と平川怜の圧力が上回った。もともと川崎との対戦では、相手の技術と戦術に苦労させられるものの、強さで上回る東京が最終的にはねじ伏せるという試合になる傾向がある。前線に張るフォワードの宮代大聖を除くと、体格的には東京の選手のほうが優位に立つ。川崎にいなされるか、いなしきれない圧力をかけられるかの勝負だったが、そこで東京が勝った。

かまえたディフェンスでも東京のよさが光った。ある程度川崎を引き込んで相手の攻撃を受けたときも、危険なスペースを使われる前に誰かが当たりに行く。ただうしろに構えるだけでは失点してしまっていただろう。強気の守備が東京に主導権をもたらした。セットプレーではフォワードの原大智が頭で弾き返した。前半43分に川崎・桝谷岳良の右コーナーキックを跳ね返し、チームを危機から救った。

守備に対するこだわりは、心を鬼にした佐藤一樹監督の交替策にも見てとれた。前半16分、負傷した左サイドバックの坂口祥尉がピッチを後にする。佐藤監督がもっとも頼りにする、高校生なのに老成した感のある“職人”気質の選手だけにチームにとって衝撃的な出来事だったが、監督も選手も動じなかった。サイドハーフだった荒川滉貴がサイドバックにポジションを変え、左サイドハーフには杉山怜央が入った。
「(杉山を)本来はジョーカーとして考えていた」(佐藤監督)というゲームプランからすると想定外。アクシデントによるイレギュラーな事態だったが、あわてずに対応。このふたりは左サイドから久保建英とともに果敢な崩しを見せ、機能した。

久保建英も左寄りから攻める機会が多かった。

しかし試合が残り20分となったところで、佐藤監督は杉山を下げる。替わりに小林真鷹を入れ、守備を強化した。戦術的な交替だった。これが2-0の完封逃げ切りにつながった。
「ぼくも筑波大学のとき、この西が丘で途中出場途中交替をして、その悔しさは死ぬほどわかっています」と、佐藤監督。どの試合でも果敢にプレーしてくれる杉山を認めていないはずがない。選手のつらい思いをわかったうえでの、勝負にこだわった采配と、それに対応した選手たちの実直さが、決勝進出という結果を呼んだ。

◯佐藤一樹監督の談話

――この試合の感想は。

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