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【有料記事】J1第23節Preview◆サッカーの神は細部に宿る。成熟の度合いを高める青赤軍団、鬼門の埼スタをおそれずに戦え/徳永悠平、髙萩洋次郎、東慶悟、橋本拳人~橋本「積極的にゴールを狙っていきたい」(2017/08/18)

アンカーとして守備に奔走しながらチームを統率、前後のバランスをとる髙萩洋次郎。「上位のチームとやるときのほうが結果が出ている」と、浦和に対して自信をのぞかせた。写真は8月17日の練習時に撮影したもの。

2003年7月12日のJ1ファーストステージ第12節で勝利を収めて以来、埼玉スタジアム2◯◯2ので浦和レッズを相手に一度も勝っていないFC東京。14年ぶりにアウエーの地で浦和から勝点3を獲得することはできるのだろうか。浦和は指揮官が交替し、いまだ出口が見えたとは言い難い状況にあるだけに、東京にとっては千載一遇の好機だが――。

3-1-4-2となってから2トップにつづく“第三のフィニッシャー”として存在感を増しているのは橋本拳人だ。ウイングバックがウイングとして外から進入しシュートを撃つケースを発生させうることは太田宏介がJ1第20節で放った右足シュート、室屋成がルヴァンカッププレーオフステージ第2戦でマークした決勝ゴールで証明済みだが、中央にポジションをとりやすいインサイドハーフにも期待がかかる。
4バックで最後の試合となったJ1第18節vs.鹿島アントラーズ戦で2ゴールを挙げた橋本拳人が、浦和攻略に向け、頼もしい言葉を発した。
「まずは失点をしないように意識して入ること。そこからどう攻撃でチャンスをつくっていくかが重要になってくる。決めきることができれば勝てるチャンスがあると思うので、積極的にゴールを狙っていきたい」

米本拓司と左インサイドハーフを分け合っている東慶悟もフィニッシュに絡もうとする意識は高い。前節vs.ヴィッセル神戸戦ではウラに抜け出して決定的なチャンスになりかける場面をつくった。その仕事ぶりは、もしvs.浦和戦でも起用されるなら、ますます重要になることだろう。
「守備がかなり求められるので、そこから長い距離を走って出ていくことになる。そのなかで自分の色を出さないといけない。ボールを持ったときは顔をどんどん出して、受けて。意外に真ん中でボールをもらえる感触はある。前節の出場時間は約60分(57分間)でしたけど、何回かチャンスがあった。もっともっと流動的にやれれば楽しいのかなと思います。ボールを受けて散らすこともそうですし、ゴール前に入っていってパスなりシュートなり、というのも得意なプレー。そういう場面を、インサイドハーフのようなポジションでも見せられたらいいと思う」

フィニッシュに関してはまだまだ十分とは言えないが、その意識が高めているのはいい兆候だ。背景には、3-1-4-2の基本をほぼ理解し終わり、ディテールの追求に乗り出している現状がある。
「すべての試合に出ようとも思っていないですし、誰が出てもやれる。状態のいい選手が出場すればいいと思っています」と言う徳永悠平は、次のようにチームの状態を説いた。
「(フォーメーションが最終ライン)3枚になって少し時間が経ってきたので、ある程度理解できてきて、こうすれば相手も嫌がるだろうな、やりづらいだろうなと、一人ひとりが意識しながらやれるようになっているのは大きいと思います」

たとえばアンカーが前に出た場合、インサイドハーフが中をどう締めるか。あるいは受け手になりそうな選手がマークを引き連れて動くことでパスコースやスペースをつくることができるか。そうした動きやポジションどりの工夫については、練習中も篠田善之監督の口から再三指導の声が飛んでいる。そのような追求をする段階に入っている。

「勝っているときこそ課題が見えてくる」と気を引き締める髙萩洋次郎は、そのような“知”の部分の重要性について次のように表現した。
「一人ひとりの意識だと思うし、あとは戦術のなかでどうするか。戦術はありますけど、自分たち一人ひとりの判断が入ってくるので、

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